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【溶けゆく日本人】快適の代償(1) 待てない人々 数分間でイライラ (3/4ページ)
このニュースのトピックス:溶けゆく日本人
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国内のインターネット利用者が初めて1000万人を突破した平成9年。博報堂生活総合研究所は「直訴する社会−待てない人々・触れたい人々」というリポートで、利便性の向上を指摘する一方、すぐ結論に飛びたがる▽我慢強さの低下−といったマイナス面を挙げ「待てない人々」の増加を予見した。
それから10年。コミュニケーションツールはさらに高性能になり、「宅配便の配送状況やバスの待ち時間もネット上で確認できる。漠然と何かを待つことはほとんどなくなった」と、リポート作成に携わった知識創造工房ナレッジ・ファクトリーの林光代表は話す。
目白大学の渋谷昌三教授(社会心理学)は、そんな「待つ必要がない社会」の到来を複雑な思いで見つめる。「パソコンや携帯を駆使して即座にほしい情報が引き出せる。だから、物事がさくさく運ばないと耐えられずに、暴力的な言動に出てしまうこともある。『待たせない』サービスに慣れすぎたがゆえの皮肉な現象かもしれません」(海老沢類)