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小児救急医療体制不備も浮き彫り 加古川女児刺殺事件 (1/2ページ)

2007.11.15 11:38

 兵庫県加古川市別府(べふ)町新野辺(しのべ)の市立別府小2年、鵜瀬(うのせ)柚希(ゆずき)ちゃん(7)が自宅前で刺殺された事件は16日で発生から1カ月になる。柚希ちゃんが救急搬送されたのは、現場から直線距離で約30キロ離れた神戸市須磨区の県立こども病院。119番通報から52分かかっていた。付近の住民からは「もっと近くの病院で治療できなかったのか」という声も上がっており、小児救急医療の体制不備が浮き彫りになっている。

 柚希ちゃんは10月16日午後6時ごろ、公園から帰宅して自転車を自宅裏に置き、玄関に向かうわずかな間に何者かに襲われた。

 加古川市消防本部によると、119番通報があったのは午後6時6分。救急隊は2分後に到着し、左胸と腹の2カ所に深い刺し傷を確認したことから重篤状態と判断した。途中で搬送中も治療が可能なドクターカーと合流し、救急医が止血や薬剤投与などの治療をしながら搬送を行った。

 しかし、柚希ちゃんは搬送中の午後6時39分に心肺停止。こども病院には通報から52分後の6時58分に到着したが、午後7時46分に死亡が確認された。

 兵庫県内には、命にかかわる傷病を負った重篤な患者を24時間体制で受け入れる「3次救急医療機関」が7カ所設置されている。しかし、その中でも小児用の設備やスタッフが充実し、重篤で低年齢の小児患者を受け入れる態勢が整っているのは、こども病院だけ。最寄りの3次機関は加古川市に隣接する姫路市の県立姫路循環器病センターだったが、小児科はなく、柚希ちゃんはこども病院まで搬送されることになった。

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