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販売責任者に「ウソ報告書」への署名迫る…船場吉兆取締役「延ばして売りや」――。「船場吉兆」(大阪市)が福岡市の百貨店「岩田屋」内の店舗で食品の表示を偽装していたことを巡り、14日記者会見したパートの販売責任者らは、消費・賞味期限を改ざんするよう、同社側から指示があったことを強調した。「パート一人でやれるはずない」とも訴え、「すべてパートに任せていた」としている同社側の姿勢を批判した。 ◆改ざん会見には、販売責任者の女性と、当時の同僚だったアルバイト女性3人、山口健一弁護士の計5人が出席した。 販売責任者らの説明によると、賞味期限が残り1か月を切った総菜について、「店長」の湯木尚治取締役に相談すると、「そんなん日持ちするんやで。1か月くらい延ばし(延ばせ)」と指示され、賞味期限のラベルを張り替えた。 賞味期限を改ざんしても商品が売れ残ると、湯木取締役は「なんでそんなに売れんのか」と声を荒らげたこともあった。値引きを提案しても、湯木取締役は拒否し「何回も賞味期限の話はするな」と言ったこともあるという。 湯木取締役は普段から「こんな売り上げでどうするんや」としっ責することも多かった。こうした態度に、販売責任者は「一人で賞味期限の話をするのが怖かった」と証言した。 ◆責任転嫁?販売責任者によると、問題が表面化した後の10月末、船場吉兆が経営する福岡市内の日本料理店へ呼び出された。 湯木取締役は個室で「何としても会社を守っていかないといけない」と話し、威圧するように販売責任者の隣に座った。事実上の“軟禁状態”で、あらかじめ用意していた「不正はすべて販売責任者が行った」とする内容の事故報告書を示した。 湯木取締役は署名を求めたが、販売責任者が「事実と違う」と拒むと、「それはあんたの言い訳や」と激高。帰れそうもなかったため、販売責任者は「トイレに行く」と部屋から出ることを繰り返し求め、4回目で料理店を抜け出した。 次の日も、同店で、別の社員から「賞味期限を過ぎた商品を売った理由を書いてほしい」と、報告書の作成を求められたが断った。帰宅の際には、湯木取締役から店のスタッフに謝罪するよう言われ、「謝らなければ帰れない」と思い、頭を下げた。 またアルバイトの一人は、福岡市の調査が店舗に入ったことを電話で報告した際、湯木取締役から「あんたのせいで、大変なことになったやないの」とどなられたという。 ◆ずさんな管理体制すしと弁当の販売を担当していたアルバイトは、「福岡市の調査を受けるまで、従業員はだれも、消費期限と賞味期限の違いを知らなかった」と証言。さらに本店から送られてくるラベルは、賞味期限を表示するものしかなかったことも明らかにし、食品の管理体制の甘さを指摘した。 別のアルバイトは「いつも『ありえない会社』と思っていた」とこぼした。 特集はこちら >> |
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