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突っ張り若の里 4連勝

2007年11月15日13時14分

 支度部屋に戻った若の里の左ほおに、赤い手形がついていた。四つ相撲の31歳が、珍しく張り合いに応じて4連勝。「大関候補」と呼ばれたころの若々しさが、かいま見えた。

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若の里(右)は、北勝力の突っ張りを受けながらも押し出しでやぶる

 突っ張りが得意の北勝力に、顔面近くを攻められて火がついた。「(1歳下の)後輩に張られて、珍しくカッとなった」。本来四つに組み止めるのが必勝パターンだが、この日はすかさず、2発張り返して足を運んだ。たまらずはたき込む相手のひざに、しがみつくようにして前進を続けた。

 幕内54場所目で、初日からの4連勝は2度目。「この4日間はうまく集中して、体が動いている」と笑顔を見せた。

 02年初場所から19場所連続三役を務め、大関に迫った。だが、05年秋場所で太ももを痛め、昨年の名古屋場所は右ひざの靱帯(じんたい)を損傷。1年前の九州は十両11枚目に転落した。けがが治ると前頭2枚目まで戻したが、この2場所は負け越し。「今場所こそ、という気持ちがある。三役復帰を一つの目標にしている」

 けがとの苦闘を続けている間、鳴戸部屋で苦楽をともにした元幕内隆の鶴(現西岩親方)、元関脇隆乃若が相次いで土俵を去った。92年春場所初土俵の同期生。「必死なんですよ。同期2人はもういないから」

 母親には「35歳くらいまで頑張れれば」と話しているという。らしくない荒々しさは、新旧交代の波に抵抗する決意にも見えた。〈14日、大相撲九州場所4日目〉

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