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混合診療、厚労省が規制通達 政府の拡大方針に逆行

2007年11月15日

 保険の利かない自由診療と保険診療を組み合わせた「混合診療」について、厚生労働省が例外的に対象としてきた101の医療技術のうち18を今後は認めないとする通達を出していたことが分かった。通達は政府が04年12月に混合診療を認める医療機関と医療技術の範囲を拡大する決定をした約半年後に出されており、政府の規制改革会議は「決定に逆行する」と反発している。

 厚労省の通達は05年6月、保険局医療課長名で出された「先進医療に係る届出等の取扱いについて」。薬事法で承認されていない医療機器や医薬品を用いた医療技術については混合診療を認めない方針を各医療機関に伝えた。

 その後、06年10月に高度先進医療が先進医療に統合された結果、それまで高度先進医療として薬事法未承認ながら混合診療が認められていた乳がんの転移検査や内視鏡を使った甲状腺がん手術法など18技術が対象外となった。18技術は05年度で約450件の実施例がある。

 厚労省は08年3月末までの経過措置期間内に、対象となる機器や医薬品を薬事法で承認できるかどうか検討中。承認されなければ、08年4月以降は正式に対象外となり、規制改革の結果123まで増えた対象医療技術が減ることになる。

 厚労省によると、薬事法を根拠とした新たな規制は、04年の決定に従い、混合診療の対象範囲拡大の基準を決める際に浮上したという。同省医療課は「対象となる医療機関が増えるのだから、対象となる医療技術はより慎重に選定すべきだ」と説明する。ただ、規制改革会議の関係者は「混合診療の対象を広げようという政府決定後に新たな規制を持ち出して、対象を狭める行政に疑問を感じる」と話している。

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