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萬屋(よろずや)の商品構成になっていませんか −ABC分析法−

取扱い商品が多様化している現在、限られた売場で全ての商品を取り揃えることは不可能です。

しかし、現状をみると隣の店で売れている商品があるとすぐ自分の店でも扱ってしまうというのが実情です。
その結果、自店はもとより他店も、ともに売上ダウンになっています。どうしてでしょうか?

答えは簡単です。確かに品数は「何でもある」が、お客さんが商品を選ぶ段階になると「何にもない」店となっているからです。いわゆる「よろずや」で、お客さんの欲しいと思う商品は、関連商品で少なくても20種類以上揃えていないと満足しません。限りある面積でこれを満たすことは不可能です。それを避けるために今回は、自店の商品部門をABC分析手法を使って検討してみましょう。

まず、店の売上高を出来るだけ多く部門別(商品別)に算出してみてください。次に、それを売上高の大きい順番に並べ替え、累積高と累積%の欄を作って、合計売上高を100%となるようにした表を作り、グラフにして完了です。これらの関係をQ社の診断実例から見たものが下記の図・表です。
通常、商品の売れ行きは、扱い商品の30%で全売上高の70%近くを占めているのがお客さんのニーズを確保している店とされています。つまりAグループです。社長は、この動向を常に把握し、この商品の重点管理を行う必要があるのです。但し、Aグループの商品が自社にとって貢献している商品かとなるとそうとは限りません。
いずれにしても商品構成の決め手はこのバランスの基に組まれているか否かにかかっている、と言っても過言でないでしょう。「社会事象における対数正規性分布(いわゆる20−80の原則…ドラッカー)」の現象がここでも見事に検証されていると思います。

 

中小企業診断士 内田 稔

 

Q社のABC分析表(単位:千円)

商 品 部 門
売上高
累積売上高
累積売上割合
着 物
58,439
58,439
17.05%
紳士外装カジュアル
26,363
84,802
24.74%
子供服
25,772
110,574
32.26%
服 飾
25,593
136,167
39.72%
デュバンバン
25,407
161,574
47.13%
婦人外装
21,835
183,409
53.50%
寝 具
21,788
205,197
59.86%
紳士用品
17,690
222,887
65.02%
トップス
17,192
240,079
70.03%
靴 下
13,068
253,147
73.85%
ヤング
12,714
265,861
77.56%
ヤングカジュアル
11,820
277,681
81.00%
アパレル・ナイト
11,067
288,748
84.23%
ボトムス
9,845
298,593
87.10%
ベビー用品
9,409
308,002
89.85%
ハウジング
8,905
316,907
92.45%
紳士・子供肌着
8,114
325,021
94.81%
婦人肌着・ランファン
7,492
332,513
97.00%
服 地
6,991
339,504
99.04%
紳士・子供ナイト
3,299
342,803
100.00%

 

 

Q社の売上高ABC分析グラフ(*:%、+:%累計)


 


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