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【社会】北勢運送でも不正 乗車前アルコール検査2007年11月15日 朝刊 トラック輸送の中堅、北勢運送(本社三重県桑名市)の磐田支店(静岡県磐田市)に所属する運転手10人が乗車前のアルコール検査で不正をして、社内処分を受けていたことが分かった。社内基準を上回るアルコール分が検出されると、別の運転手らに身代わりを頼んで検査をすり抜け、運転していた。 運転手のアルコール検知逃れは名鉄グループのバス会社でも今月上旬発覚しており、あらためて運送業界のモラルが問われている。 北勢運送は昨年11月、飲酒運転のトラックによる悲惨な事故が全国的に相次いだことを受け、本社営業所と磐田支店、岡山営業所(岡山県瀬戸内市)にアルコール検知器を導入。始業点呼時に検査をしている。 道路交通法では、呼気1リットル当たり0・15ミリグラム以上のアルコール分で酒気帯び運転となるが、社内基準を厳格化し、0・05ミリグラム以上が検出された場合、乗務を禁じている。 同社によると、磐田支店での不正は今年9月末に内部告発で発覚。点呼時に0・05ミリグラム以上のアルコール分が検出された運転手が、点呼者が席を空けたすきに別の運転手らに再検査を受けさせるなどしていた。 検知器はカメラと一体になっており、顔写真を撮影するとともに検査結果がパソコンに記録される。このため、身代わりの協力者が帽子を深くかぶって写ったり、隣から検知ストローに息を吹き入れたりしてごまかしていた。10人は互いに協力し合っていたという。 不正は4月から始まり、10人は計23回行ったと自己申告している。残っている検査記録では、アルコール分が0・15ミリグラム以上だったケースは確認されておらず、同社では「前日の酒が残っていたのではないか」としている。 同社は10月半ば、運転手10人を減給10分の1、3−6カ月の処分に。身代わりとなっただけの従業員1人を同3カ月、上田泰爾社長を含め本社役員や支店管理者ら8人を同1カ月の処分にした。 また検査には必ず点呼者が立ち会い、帽子を脱いで写真を撮るなどの改善策を実施している。 北勢運送は自動車部品を主に取り扱い、従業員約550人で、うち運転手は約200人。
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