事件は時代と社会を写す鏡だとつくづく思う。診察費を払わない患者に頭を悩ます病院が北陸でも増えているとのニュースがあった。大阪の病院が厄介払いするように全盲患者を公園に置き去りにした記事もあった つい先日には、暴力をふるうなど乱暴な患者に対応する病院スタッフの苦悩が紹介されていた。これらはどんな時代相を反映しているのだろう。昨今の風潮で言えば、モンスター患者に、モンスター職員。共通するのは非常識を非常識と思わない人々である モンスターは大事な「常識」という餌を食べて巨大化すると言う。今回は全国にはびこる「モンスター現象」が、たまたま病院を舞台に写し出されただけだろう。大切な常識を蹴散らす背景のの根は深く、特定の個人や一地域に限った問題ではない が、そう言い切ってしまえば救いがない。患者を置き去りにした職員も、匿名で119番通報し、救急車で別の病院へ運ばせた。これから大事なのは、非常識がまん延する中で、生き残った「常識の芽」に水をやり、生きかえらせる教育だろう 人のふり見てわがふり直せとも言う。鏡を見よう。自分にも歪みがないか。
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