裁判員裁判の在り方に関する最高裁司法研修所(埼玉県和光市)の研究結果として、被告の共犯者ら重要証人が公判で捜査段階の供述を翻すことが予想される場合、裁判所は検察側に対し、初公判前に証人尋問できる制度の活用を求める見解が示されることが12日、新たに分かった。

 また検察側が間接証拠を積み重ねて立証する事件では、証明力に限界がある筆跡鑑定などの証拠採用は慎重にすべきとの意向も示している。

 法廷での供述・証言に基づき審理する「口頭主義」の徹底や、迅速で分かりやすい裁判の実現に向けての提言で、実務上の指針となりそうだ。

 研究結果は、司法研修所が「裁判員制度の下における大型否認事件の審理の在り方」に関し、東京地裁などの裁判官に委嘱したもので、各地の模擬裁判の様子なども踏まえ、裁判員が任意性を認めない自白調書は証拠としない運用を提言することが既に判明している。