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不法拘禁・拷問あった 在日韓国人スパイ容疑で国防省

2007年11月12日21時38分

 韓国国防省の過去史真相究明委員会は12日、70〜80年代に同省傘下機関の国軍保安司令部(当時)が、韓国に留学した在日韓国人らを捜査した北朝鮮スパイ容疑事件について、不法拘禁や拷問などの違法行為があったと発表した。委員会は国防省に対し、再発防止と国民への謝罪を求めた。

 委員会によれば、同司令部は65年の日韓国交正常化を契機に、北朝鮮が日本経由でスパイを韓国に送り込む可能性があると判断。韓国に来た在日韓国人や、日本に親類を持つ韓国人など、日本と関係を持った韓国人を対象に計73件のスパイ容疑事件を扱った。

 委員会はこのうち16件を選び、4件で関係者への対面調査を、12件で書類調査をした。

 対面調査4件のうち、容疑者が北朝鮮に密入国し、スパイ教育を受けた事実を確認できたのは1件だけ。この事件を含め16件すべてで、令状なしで被疑者を連行。9日から43日間にわたって拘禁した。一部では昼夜を問わず密室で調べを続けたり、拷問や脅迫を加えたりした。

 同司令部は民間人への捜査権がなかったため、国家安全企画部(現・国家情報院)の名義を使用。同部や検察も黙認したという。委員会は12日の記者会見で「こうした違法行為が80年代末ごろまで続いた」と説明した。

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