政府の経済財政諮問会議は14日の会合で医療の効率化について議論し、民間議員が診療報酬の見直しに向けた提言を出した。提言は「全体のコストを抑える」狙いで、診療報酬の総額を抑制すべきだと主張。そのうえで診療所の初・再診料を下げ、医師が足りない産科や小児救急などの報酬を充実する。病気ごとに標準的な医療費を定める「定額払い方式」の拡大も促した。
会議に出席した福田康夫首相は「診療報酬は国民の安心のために必要なところは充実し、削るべきところは削る姿勢で見直してほしい」と述べ、メリハリのある制度を検討するよう求めた。
民間議員は医療の無駄をなくしながら、質を高めることを原則として提言をまとめた。病院は高度な医療や救急に、診療所は日常的な外来診療を中心にする「役割分担」につながる報酬制度を要請。看護師が末期がんの患者にモルヒネを処方したり、介護士が痰(たん)の吸引をしたりするなど、看護師らに認める業務を広げて医師の負担を軽くする。(23:01)