11月7日、在日本大韓民国民団が主催する、永住外国人に地方参政権を求める集会が、東京の日比谷野外音楽堂で開催された。
日本全国にある地方民団が地域の在日同胞、関係団体に呼びかけ、総勢5000人が参加。決起大会と銘打たれた集会では、元韓国国会議長で韓日親善協会の金守漢氏や韓日議員連盟の金淇春氏も韓国から駆けつけ、議員連盟で日本の議員たちと約束した、地方参政権法案の国会成立を強くうったえた。
日比谷野外音楽堂を埋め尽くす人々(撮影:黒井孝明、他も)
そして、日本側も自民、公明、民主、共産、社民、国民新党から国会議員が参加し、「小沢代表も賛成の立場です」「日本で60年以上暮らし、納税もして、地域社会の発展に寄与している在日の皆さんに、地方参政権を実現するのは当然のこと」「今国会に提出した法案で審議が進むよう全力を尽くす」などの力強い挨拶が次々となされ、会場には熱い拍手が起きていた。
1995年に最高裁で、永住外国人に参政権を付与することは、違憲ではないという判決がなされ、1999年には「自自公」連立政権が誕生した際に、その政権合意の中に成立が明記され、法案成立が手に届いた時期もあったが、現在の国会状況を見たとき、ここに参加した議員の決意表明が、どれほどの実現性をもっているのか、本気でこの問題が取り組まれるのかは疑問だ。
国会議員に要望書を手渡す
集会はそのまま銀座の街に出て、デモ行進へと連なった。“永住外国人に地方参政権を早期に立法化せよ!”という横断幕を先頭に、数百人ずつに1台先導車が付き、整然と5000人のデモ行進は進んでいった。胸にゼッケンをして、腰を曲げながらもしっかりとした足取りで歩く一世とおぼしきおじいさんもいた。
6年前、この全国集会に、当時民団青年会のスタッフとして参加したときのことを振り返ると、一世の姿はぐっと減ってしまった。変わりに近年日本にやってきたと思われる韓国人の姿が目に付いた。
在日韓国人が求めている地方参政権とは、地域の一員として生活をしている永住外国人が、自らが住んでいる街を暮らしやすくするための意思決定である地方選挙に参加するという「住民」として権利を求めるものだ。
ヨーロッパ諸国では、一定の条件の下に外国人に地方参政権を認める国々が増えている。また、2005年6月、韓国でも永住外国人への地方自治体参政権が法的に認められ、2006年の韓国統一地方選挙の際に、アジアで初めて、日本人を含む永住外国人住民が地方選挙に参加した。
このような経緯の中、相互主義の観点からも、永住外国人への地方参政権付与は、急務な課題であることは間違いない。
この街に生きているのに、この街に声が届かない。という在日からのメッセージは日本社会に届くだろうか?
(以下の写真は、クリックすると大きくなります)
◇ ◇ ◇
関連記事:
・アジア初!永住在留資格者に地方選挙権が付与―韓国
|