事件・事故
尼崎・飲酒ひき逃げ死亡事故 被告に懲役30年求刑
尼崎市内の県道で今年六月、飲酒運転のワゴン車が歩行者をはねた上、タクシーに衝突し三人を死亡させた事故で、二件の危険運転致死罪に問われた大阪府豊中市の建築業(50)の論告求刑公判が十四日、神戸地裁尼崎支部(渡辺壮裁判長)であった。検察側は「同罪の施行以降、二件の事故で人を死亡させたのは初めて。同種犯罪史上、類例を見ないほど凶悪な事案」として併合罪を適用。有期刑では最高の懲役三十年を求刑した。
検察側によると交通事故では過去最高の求刑。公判はこの日で結審し判決は十二月十九日。
検察側は論告で、被告が二年前からほぼ毎日、仕事帰りに缶ビールを飲みながら運転し、飲酒運転で過去二回摘発され、事故の約一年半前にも自損事故を起こすなど「常習性は明らか」と指摘。タクシーと衝突後、逃走を図り、たばこで酒のにおいを隠そうとしたことなどを挙げ「規範意識が完全に欠落しており、再犯は必至」とした。
論告によると、被告は六月二十三日朝から約十五時間、ビールや焼酎計四リットルを断続的に飲み、酩酊状態でワゴン車を運転。午後九時半ごろ、尼崎市南塚口町七の県道で歩いていた同市の男性=当時(29)=をはねて死亡させ、さらに約八百メートル南で対向車線のタクシーに衝突、運転手=同(48)=と乗客の女性=同(68)=を死亡させた。最終弁論後、被告は「家族(被害者遺族)には悪いことをした。本当にすみません」と謝罪の言葉を述べた。
この日、妹らと傍聴した、タクシー乗客の女性の長男(43)は「極刑や無期懲役を望む気持ちがあり納得できないが、現在の法律では仕方ない。懲役三十年の実刑判決が出ることを期待している」と悔しさをにじませた。また東名高速で一九九九年、飲酒運転の大型トラックに追突され二人の子どもを亡くした千葉県の男性(57)も姿を見せ、「事故の重大性を考えれば最高刑求刑は当然。社会への警鐘になれば」と話した。
(11/14 21:48)
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