小児病棟
テーマ:単発ドラマ1980年日本テレビにて放映された、単発モノドラマ
≪小児病棟≫
を覚えている方いないだろうか?ある病院の小児病棟が舞台のドラマで、そこの病棟に勤める、 看護士(桃井かおり)が、“0号室”といういかにも、曰くあり気な病室の小児(新生児)患者の担当になるところから物語が始まる。
その病室の(新生児)患者の家族には、“死産”と偽り、秘密裏にその(新生児)患者を“0号室”に“所謂モルモット”、臨床実験対象として、隔離しているのであった......。
“0号室”の(新生児)患者には名前が付けられていた、“太郎ちゃん”と呼ばれ、新たに担当となった看護士が、“太郎ちゃん”と対面した瞬間、不覚にも看護士は、“0号室”を飛び出し、洗面所に直行するのである。
看護士は、思わず呟くのであった......。
「何よ.....あの肉の塊.....」
担当に就いた当初は、半ば嫌がり、戸惑っていた様子の看護士、オムツを替えていた時、“太郎ちゃん”が、おしっこを飛ばしてしまい、それが看護士の顔についてしまうのであるが、しかし、看護士の心の中に、“太郎ちゃんに対する、母性”が芽生え始め出すのである。
日々の臨床実験に立ち会う看護士は、“太郎ちゃん”に対する感情が、母性に変化してしまった為に、それが堪えられなくなり、“太郎ちゃん”を“0号室”から連れ去ってしまうのだ。
“太郎ちゃん”の存在は、公に出来ない、臨床実験対象の為、病棟の一部の人間が、連れ去った看護士と“太郎ちゃん”の行方を捜し始める.....その時、看護士と“太郎ちゃん”は、公園のブランコに佇んでいた.....そこに行方を捜していた、小児病棟婦長(市原悦子)に発見されてしまう.....“太郎ちゃん”を愛しく抱きしめている、看護士の傍に近寄り 婦長は“太郎ちゃん”を私に渡して頂戴と看護士に問いかけ、説得し始めるのだが、看護士は“太郎ちゃん”を抱きしめたまま、婦長の要求を聞き入れようとしない、看護士は思い余って、“太郎ちゃん”を殺そうとまでしてしまうのだ。 婦長は、慌てて看護士の頬を叩き、一喝するのである.......。
看護士は、我に戻り“太郎ちゃん”を婦長の手に引き渡すのであった...。
それから.....暫くして“太郎ちゃん”は天に召されて.....
看護士のもとから、旅立っていった......。
しかし.....“死産”と偽りを伝えられていた家族が、“太郎ちゃん”と名づけられ、“0号室”で最近まで、“生存”していた事実を知ってしまい小児病棟に駆け込んでくるのである。
“太郎ちゃん”の家族に、看護士が“太郎ちゃん”との思い出を語り始め出し、“太郎ちゃん”を出産したお母さんが....
「奇形児でも、生きていた事だけは、教えて欲しかった....」と看護士に泣きながら、呟くように訴えかけた.....
その後の物語の展開が思い出せないのだ.....。
最後のシーンだけは、何となく覚えている.....
“太郎ちゃん”の死後...小児病棟で働き続けている、看護士の名前を誰かが呼んで、看護士が振り返るシーンで終焉だった......。
ネット上でソース記事を捜してみたが、この≪小児病棟≫に関する事が殆どなく、切ない気持ちになった......。
今、ここでこの文章を打ち込んでいる、時分でも涙がこみ上げてきてたまらない......。
奇形児として生を受けた、“太郎ちゃん”と担当看護士とのなんとも言えない、短くも、愛情に満ち溢れた物語であり、白い巨塔と形容詞がついてしまった“開かずの間”的な医療業界の内幕を描いた作品でもある。
この物語に出てきた、医師の発した言葉が忘れられない.....。
重度の奇形障害児“太郎ちゃん”をまるで秘宝を眺めるかの如く
「重度の奇形児の延命記録を伸ばすぞ......。」
この様な人々のおかげで、医療も日進月歩の発展を遂げているのだが、
私自身......どこかで割り切れないモノがある事だけは、確かである。
By お竜
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