 |
| 鉄道博物館の目玉「ヒストリーゾーン」はオープン初日から大勢の鉄道ファンでにぎわう |
さいたま市大宮区に「鉄道博物館」がオープンして十四日で一カ月が過ぎた。この間、全国から足を運んだ鉄道ファンは約二十四万人。最寄駅の乗降客は三倍に増え、周辺には土産物店やコンビニも店開きした。当初見込みの「来年三月までに（入館者）約六十万人」を軽く突破する勢いだ。一方で、平日でも入場待ちの車が渋滞をつくるなど、周辺住民から安全対策を求める声も上がっている。
鉄道博物館は戦前、戦後の日本各地を走っていた鉄道車両を展示しているほか、歴史を学べるゾーンやミニ列車を運行できる体験スペースもあり、子どもから大人まで楽しめる施設として注目されている。
こんな博物館を一目見ようと、県内外から多くの人が訪れている。茨城県取手市の竹川保夫さん(５０)親子は「本物の車両が展示してあるので、迫力を感じる。子どもたちにも見せようと思って一緒に来ました」と笑顔。山梨県大月市の佐藤厚志さん(３６)は「ＳＬのシミュレーターで運転を体験できるのが楽しみ」と話した。
博物館周辺にはコンビニエンスストアや模擬店などがオープン。「博物館効果」で売り上げは上々という。商工団体が中心となって土産物店も開店し、浦和のうなぎをイメージした揚げせんべい、大宮の盆栽をかたどった蒸しカステラなどを販売している。「全国から人が来るので、少しでも埼玉の魅力を知ってもらうきっかけになれば」と関係者は期待する。
最寄りのニューシャトル「鉄道博物館（大成）駅」周辺は急増した乗降客であふれる。
鉄道博物館がオープンした十月の同駅の一日平均乗降客は一万五百五十六人。前年同月（五千百九十三人）の約三倍に増えた。
一方、博物館にある二百九十台収容の駐車場はほとんど満車状態。周辺道路は駐車待ちの車で渋滞し、長いと二時間待ちのときもあるという。地元住民は「人が増えてにぎやかになった」と話す一方で、「車の量が増え、子どもが危険な目に遭うときがある。駐車待ちの車も多く、日常生活に支障をきたしてしまう」と心配する声も上がる。
周辺には警備員が大勢配置され、渋滞緩和策なども実施されているが「できるだけ公共機関で来てほしい」と博物館は呼びかけている。
|