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テレビ利用者3割超減 その理由は?

2007年08月16日

 ブロードバンドの普及で、テレビ離れが加速する――。そんな構図が出版社インプレスが発表した「インターネット白書2007」で改めて浮き彫りになった。ネットを利用する時間が長くなり、動画を検索して楽しむスタイルも定着し始めている。(アサヒ・コム編集部)

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ネットのブロードバンド化で視聴時間が減ったとみられるテレビ。将来はネットとの融合も進む?

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利用者が増えて続ける動画投稿サイト「YouTube」。

 この白書は、財団法人インターネット協会が監修し、インプレスが毎年発表している。インターネットで4月にアンケートをおこない、5728の有効回答を得た。

 それによると、インターネットの利用でテレビの視聴時間が減ったと答えた人は36.9%と、メディアの中で減少率が最も大きかった。雑誌は29.1%、新聞は24.3%だった。

 ADSLや光ケーブルなどの高速回線によるブロードバンドの普及率は50.9%で、調査開始以来、初めて5割を超えた。家庭からの利用者数は4627万人だという。

 白書の調査担当者は、

「テレビ離れは、ネットのブロードバンド化の普及と関連している」と指摘する。ブロードバンドが普及する前の02年には、テレビの視聴が減ったと答えた人は22.3%だったが、04年41.2%、05年38.9%、06年41.3%と、高くなる。ADSLが普及し、光回線が出てきた時期と符合する。

 ネットの1日の利用時間についてきくと、全体で最も多いのは、1時間〜3時間未満で、38.3%。20〜40代の男性では、約半数が1日3時間以上ネットを利用している。

 また、テレビとネットの利用時間を比べると、1〜3時間未満は、ネット38.3%、テレビ46.2%と、テレビが優勢だが、3〜5時間未満では、ネット23.2%、テレビ18.6%と逆転する。

 ブロードバンドの普及で動画投稿サイトなどの利用者は増加の一途だ。

 動画投稿サイトの認知度は72.8%に上り、利用している人は18.7%だった。若者を中心に10代の男性が4割、女性の2割が利用。ただ、利用者の92%は閲覧のみで、投稿者は8%にとどまっている。

 この分野ではユーチューブ(You Tube)の認知度が際だっており、利用者の93.3%を占め、家庭からのアクセスが1135万人に達した。前年の調査に比べ約5.3倍だ。

 調査担当者はユーチューブなどを使って映像を検索して見るというオンデンマンド化が進んでいる。通信事業者による映像の配信や、SNSなどの動画コミュニティーが増えたりすれば、テレビ離れはもっと進む可能性がある」と話している。

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