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特殊な顕微鏡を使って口の中の菌を観察します。スピロヘータ類がいるかどうかが感染の目印になります。「感染・潜伏」「発病」を診察します。当院の状況を見るとスピロヘータ類が全くいないという人は全体の10%ほどで、あとの90%程度の人は数の多少はありますがスピロヘータ類を持っています。スピロヘータ類が多い人は歯ぐきの状態が大変悪く、腫れ・出血・口臭・歯のぐらつき等の症状が出ています。 |
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当院ではスピロヘータ類の有無や数の多少によって治療方針が分かれます。 |
■スピロヘータ類が全くいない人 (未感染) |
症状が出る事はほとんどないので、歯周内科の治療は行わず、虫歯の予防も兼ねてプロフェッショナル(歯科衛生士)による定期的な歯の徹底クリーニングを行います。 |
■スピロヘータ類がわずかにいる人 (感染・潜伏) |
何かのきっかけでスピロヘータ類の数が激増すると歯周病が「発病」しています。主なきっかけは加齢や病気による免疫力の低下です。爆発がおこる年齢の目安は45歳です。ちょうどガンの好発年齢の始まりと一致していますね。免疫力がガクンと落ちる時期なのでしょう。こういう患者さんには「発病」の状態に移行しないよう、定期的な菌の観察とプロフェッショナルクリーニングを行います。 |
■スピロヘータ類が爆発的に増えている人 (発病) |
スプロへータ類とその他の様々な菌類の作用で歯肉に強い炎症が起こり歯を支える骨がどんどん溶かされています。非常に危険な状態ですので速やかに「歯周内科」の治療を行います。飲み薬と塗り薬の2種類の抗生剤を1週間使用してもらいます。途中で何度か位相顕微鏡でお薬の効き具合を確認します。お薬の作用を阻害するタバコは1週間厳禁です。スピロヘータ類の全滅が確認できたら治療は終了です。その後再発を防止するために定期的な菌の観察とプロフェッショナルクリーニング(PMTC)を行います。 |
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スピロヘータ類を含む歯周病を引き起こす菌(悪玉菌)がほぼ全滅し、病原性のない菌(善玉菌)がたくさんいる状態が理想的な状態です。その状態で安定すれば「未感染」と同じ状態になったと言えます。ただ、それで安心してはいけません。歯や歯のかぶせ物は非常に複雑な形ををしており、お薬がしみこなまい部分にわずかに菌が残っていて再発することがあります。ごくわずかな数の悪玉菌であっても、そのまま何年も放置すると分裂して増えてしまいます。そうさせないためには定期的なプロフェッショナルクリーニングをしてごくわずかに残った悪玉菌を退治して、再発を防止できるのです。
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