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未完の奇跡、遠い世界一(下)

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ロイヤルズに勝利、松井秀(右)とタッチするヤンキースのトーリ監督(当時)=9月7日、カウフマン・スタジアム(共同)

(2007/11/14)

 ――8月終わりのデトロイト遠征の3戦目で7試合連続安打を記録。7月から「14試合」「9試合」「12試合」と、毎試合のように安打を打ち続けたが、この「7試合」以降、目立った連続試合安打がない。「 ひざ痛は打撃に影響ない」と言い続けたが、本当は。
 「分かんないけど、若干はあるのかもしれない。守れなかったし、走ると痛い。打つときは痛くないからね。でも、それでトレーニングできないというのは一番痛かったかな。下半身のトレーニングね。筋 トレにしても走り込みもできないわけだから。それがどう影響したか分からない。痛みは最後まで一進一退だった。で、プレーオフを万全にしてやりたかったから水を抜いてもらった。ト レーナーに見せて水抜いた方がいいかって聞いた。そしたら、やった方がいいなって言われて。ちょっと腫れがひいたから良かったけど」

 ――ひざ痛の後、結局、何試合欠場した。
 「どうだろう、6試合か。ハラデー(ブルージェイズの右腕)を打つ前日(8月7日)と、シアトル(9月5日)ね。ボストンの3戦目(9月16日)と、タンパで1試合(9月26日)と、最後の2試合( 水を抜く治療をした9月29、30日)ね。もちろん、出たかったけど、勝ったから、良かった。僕が出てない試合、全部勝ってるんですよ。松井秀喜を休ませれば勝つっていう、すごい神話ができそうだよね」

 ――主砲A・ロッドが移籍するようだが。
 「今年は確かにすごかった。でもそんなに驚かないね。そんな感じで、なんかしゃべってたよ。ほかのチームに行くかもしれないみたいな感じで。A・ロッドには、の んびりしたところの方が合ってるかもしれない。ニューヨークは周りがうるさいから。ホントは(元々の)ショートをやりたいんじゃないのかな」

 「A・ロッドだけじゃなくて、ヤンキースにとってもよかったかもしれない。両雄並び立たずって言葉があるでしょ。ジーターとA・ロッドが一緒にいると、難しいんだよね。お 互い気を使う場面があるんじゃないかな。年も近いし(1歳違い)。例えば昔の王さんと長嶋さんみたいにね、2人ともすごかったけど、年は離れてる。4、5歳離れているでしょ。そうしたら、う まい具合にマッチするんだよね、たぶんね。王さんの控えめというか、穏やかな性格もあるだろうし」

 ――就任以来、12年連続ポストシーズンに進出した名将トーリが去った。
 「僕だけじゃなくて、みんな残念だと思う。マネジャーとしてもそうだけど、みんな人間として好きだから。常に相手を尊重する広さを持ってる。ひと言で言えば、常に相手に対して、思いやりがある、人 の身に立って何でも考える。どういう人に対してもそう。あと、彼の素晴らしいところは、一貫性があることだよね。言うことがコロコロ変わらない、絶対に。常に一貫性があるし、それを貫き通す。どんなことでもね。野 球に対する考え方は、ほんとに何でも、僕と一緒のような気がする」

 ――右ひざの内視鏡手術を控えて、日常生活は。
 「考えているのは(2月の)キャンプインまでに万全の体にすることだけ。小説から啓蒙(けいもう)的なヤツまで、家で読書してることが多いかな。予定? ひとつある。最後の試合の後、ト ーリ監督と1回も話してない。ミーティングはあったけど個人的には話してない。近々トーリ主催のチャリティーイベントがあるんです。毎年恒例のやつですが、それには出たい。ありがとうございました。そ れだけは言いたい」

(聞き手はニューヨーク =朝田武蔵) =第5部おわり

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