
黒人世帯と白人世帯の収入格差が拡大 米調査
2007.11.13
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18:35
JST
- AP
ワシントン(AP) 米国の黒人世帯と白人世帯の間の収入格差が拡大していることが、米シンクタンクが13日に公表した調査でわかった。
ワシントンのシンクタンク「ブルッキングス・インスティチューション」が、約2300世帯の収入について30年以上にわたって集めたデータを分析した。
その結果、主に仕事に就く女性が増えたことから、黒人と白人の両方の世帯で、収入が増加していた。しかし、増加の幅は、白人世帯のほうで大きいことがわかった。
格差の理由について、ブルッキングス・インスティチューションは、黒人世帯では男性の収入(インフレ調整後)が徐々に減少し、それを女性がカバーしている一方、白人世帯では男性はおおむね横ばいななか、女性が5倍以上に急増している点を指摘している。
調査では、白人世帯の収入を100としたときの黒人世帯の収入が、1974年には63だったのが、2004年には58に落ちていることも判明。また、白人の中流家庭においては、子どもの約3分の2が親よりも多い収入を得るようになっているのに対し、黒人の中流家庭で親よりも収入が多くなっているのは、約3分の1にとどまっていることも明らかになった。
こうした結果について、黒人の地位向上に取り組む団体は、黒人世帯が多い地区にはよい学校が少ない▽職場で人種差別がある▽黒人には片親の家庭が多い――などが影響していると述べている。