【ワシントン=貞広貴志】米大統領選の民主党指名争いで先頭を走るヒラリー・クリントン上院議員の陣営が、アイオワ州での選挙集会で参加者に「やらせ質問」をさせていたことが発覚し、物議を醸している。
同州グリネル大学の学生新聞が暴露したのが発端で、同紙によると、クリントン陣営のスタッフは今月6日、同大の女子学生に「地球温暖化を阻止するため何をするか」という質問をするよう要請。直後に大学付近で行われた集会でこの学生は実際に指名され、クリントン氏は「若い人からよくこの質問を聞かれる」と前置きした上で、発表したばかりの温暖化政策を紹介したという。
米主要メディアが同紙の記事を“転電”したことで波紋が拡大。12日付のニューヨーク・タイムズ紙(電子版)によると、クリントン陣営は「やらせ」の事実を認めたが、候補自身の関与は否定した。対立候補ジョン・エドワーズ元上院議員は、「集会の参加者を選別し、やらせ質問をさせるのはブッシュ大統領のやり方。民主党のやることではない」と痛烈に批判した。