特集「Webと広告の未来が変わる」

BOOM(ブーム)!

“自虐的な”悲観論で自らの評価を下げているメディア

 今回は「マスメディアの現状と未来」についてお話ししたいと思います。

 広告・マーケティング業界の人たちが集まると、「必ず」と言っていいほど「これからのマスメディアはどうなっていくのか」という話題になります。

 ネットの普及に加えて、携帯電話などのモバイル機器をメディアとして利用する時間が増えている中で、消費者がマスメディアと接触する時間が減っているのは、どの調査結果を見ても明らかです。しかし、だからと言って、マスメディアが急激に衰退し、ネットやモバイルがメディアとして、既存のマスメディアに取って代わる存在になる、とは私には思えないのです。

 我々のようにマーケティングの業界にいる人間にとって、情報をどう消費者に伝えるかは最も重要なテーマです。そして、どのメディアをどう組み合わせていけば効率よく伝えることができるのか、試行錯誤を日々繰り返しています。そこで感じるのは、いかにマスメディアが消費者に対して強い影響力を持っているかということなのです。

マスに依存する日本のネットメディア

 日本のネットメディアコンテンツの多くは、マスメデメディアで扱ったコンテンツの2次利用や、それを一部加工したものです。

 これだけ普及しているブログなどのCGM (Consumer Generated Media)こそ「個人メディアであり、ネットありきのコンテンツではないか」という意見はあります。が、ブログの内容をよく観察してみると、そこで触れられているトピックスの多くは、ブロガーが、マスメディアから得た情報そのものや、マスメディア経由でなければ得られない情報に何らか関係あるものです。

 今話題のYouTubeにしても、テレビのコンテンツを2次利用しているものも少なくありません。ヤフーなどのネットポータルのニュースも多くは新聞のニュースの転用です。もし、今日現在マスメディアが突然無くなってしまったら、きっと日本のネット世界は機能停止してしまうでしょう。

 我々がPRプランを作る際にもまず、マスメディアに情報を露出させることがファーストステップです。そこから、ネットへの波及を狙います。数あるネットメディアに直接アプローチするよりも、新聞の全国紙などに掲載されれば、かなりの確率で、ネットに情報が自動的に流れていきます。

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筆者プロフィール

藤田康人(ふじた・やすと)

藤田康人

インテグレート代表取締役

1964年、東京都生まれ。慶応義塾大学文学部人間関係学科を卒業後、味の素株式会社に入社。甘味料事業部で低カロリー甘味料アスパルテームの開発・営業、ダイエットコークの製品開発などを担当。 1992年、ザイロフィン ファーイースト社(現ダニスコジャパン)を、フィンランド人の社長と2人で設立。むし歯予防効果のある甘味料キシリトールの厚生省への許認可申請などのプレマーケティングを担当。97年にキシリトールを日本に初めて導入し、素材メーカーの立場からキシリトール・ブームを仕掛けた。キシリトール製品市場はゼロから2000億円規模へと成長。 2005年、日本PRアワード・グランプリを食品素材メーカーとしては史上初めて受賞。2007年5月マスメディア、ウェブ、バイラルなどのクロスメディアを駆使する統合型マーケティングを実践するマーケティングエージェンシー、インテグレートを設立。

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