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肌の染色

SDオーナーの方なら大概御存じと思いますが、SDって買ってしばらくするとだんだんと黄色っぽく変色してくるんですよね。いわゆる黄変ってヤツ。
ウチの子もお迎えから1年以上経ってそれが気になり出したので、対処法として
「肌を染料で赤っぽく染め、色を濃くする」ことを考え出して、やってみましたです。
で、その結果がコレ↓
比較なり
健康的な肌色になりました。健康美を手に入れました。
その代償に、球体関節人形らしい要素の1つ、幽玄美を失いました。
この2種類の美を心中の天秤にかけ、健康美の方が下に下がる方は、真似してみるのも一興かと。

左側の写真に写っているヒザ立ちしてたり抱えられたりしてる素体は、ボークス製の「幻の素体」という商品。SDと同じ素材、成形色なのです(違う色のもある)。比較用に並べました。
抱えられてる方は黄変が進んでいませんが、ヒザ立ちの方はかなり進んでいます。

右側の写真に写ってる人形は、これもボークス製のドール素体。これまた比較用に撮ってみました。
立ってる方は、NEO-EBの普通肌の黄色っぽい成形色のもの。
座ってる方は、ドルフィープラス素体の美白タイプ。

黄変するのは、なにもSDの素材である無発砲ウレタンに限りません。
合成樹脂の類は大概は黄変すると思います。白いプラスチック製の家電製品等を見るとわかると思います。
もちろんABS製のドール素体も黄変します。
でもABS製ドール素体の場合、あまりそれが気にならないと思ったんです。
多分その訳は、色が濃いからじゃないかと。
逆にSDは、色が薄いから少しでも黄変すると目立つんじゃないかと。
ほんじゃ濃くしてまえ、ってことデス。
無発砲ウレタンの黄変はABSよりも激しいってのも、もちろんあるんでしょうけどね。

粉状染料 ←使った染料。「Rit」なる商品名で色は「PEACH」。粉状なので、少しずつ使ったり計量したり混色するのに便利です。
1箱に31.9g入りで、多分400円。
でかい雑貨屋「Loft」で買いました。
東急ハンズにも売ってるみたいです。

もともと布を染めるための物です。
ドールの髪を染めたりもできます。
この商品は、水でもぬるま湯でも熱湯でも染色できます。
基本的に熱い方が良く染まるようデス。
染色液 ■必要な物■
染料、大きな桶、はかり
60℃のお湯3.5リットル以上

桶は、ステンレス製の食器洗い桶を使いました。
5リットルくらい入ります。
プラスチック製だと、桶も染まってしまいます。
プラ製なら、いまどき100円で売ってるので染まっちゃっても構わないかも。

はかりは、染料を3g量るのに使います。
目分量でやったるわいって人なら、要りません。

お湯の温度ですが、給湯器で最高温度のお湯を出しました。それが60℃だっただけです。この数字に大して意味はありません。
お湯の量は、中にミニSDの部品を全部浸けた状態でスムーズにかき混ぜられる量が必要です。

■染め方■
1 桶にお湯を入れます。

2 そこに、染料を3g量って入れてよく溶かします。くれぐれもよく溶かしましょう。
溶かした後、染料の粉が手に付いたままだったりしないように注意。水で湿った粉が部品に付くと斑点状に色が付くことがあるようです。
こんな風に↓
シミになった・・・

3 バラバラに分解したミニSDの部品を全部入れて、かき混ぜ続けます。
ときどき染色液から出して、色味を確認しましょう。
お好みの色になったら取り出して、染色液を水で洗い流して、できあがり。
いい色に染まるまでに5分くらいかかりました。

さらに私は、手と顔の部品だけもう一度染めました。手と顔はいつも露出しているので他の部品より黄変が進んでおり、1回染めただけでは黄色っぽい感じが強かったので。手と顔だけ色が濃いことが上の写真からわかりますでしょうか。

このように、とても簡単なのですね。
ただし、それはこの段階の話。ここに来るまでが大変なのじゃッ。

■特性■
●染めムラ
この方法で染めると、部品の表面が荒れたところは、なめらかな所よりも濃く染まるみたいなんです。
深いキズがあると、その形に濃く染まったりします。
私が最初に染めた時、そのせいでむらむらに染まりました。
仕方ないので、1000番のペーパーでムラに染まった表面を削り落としつつ、均一な表面にしました。
表面だけに色が付いている状態なので、磨けているかどうかは分りやすかったですが、疲れた・・・
そして、もう一度染め直したのであります。今度はうまくいったデス。
でも、完全に均一な色にするのは難しいと思います。やっぱり少しムラがあります。
とはいえ、人間の肌だと思えば、少しムラがある方がイイんじゃないかと。

●色落ち
このようにして染めた肌の色は、シンナーの類によって溶け出すことがあるようです。
私が確認した限りでは、模型用塗料のラッカー系とアクリル系のシンナー、そして「ブレークリーン」という石油系溶剤で溶けます。
溶け出すからと言って、色を落としたい時に使って完全に落とせるかどうかは、
試してないのでわからんです。
水や模型用塗料のエナメル系では溶けないみたいです。

■長所■
SDの肌に色を付ける方法としては、エアブラシもしくは缶スプレーの肌色サーフェーサーで塗装するのが一般的ですが、前者はエアブラシを持ってないとできませんし、後者は缶スプレーゆえに自由に自分の好きな色にすることは出来ません。
ですがこの染色方法なら特殊な道具も技術も要りませんし、ある程度好みの色にすることが出来ます。
例えば、こんな色↓(写真右)
濃く染める これは、染めたほのさんの足と、それと同じ染料(同色)で染めたウレタンの小片。「幻の素体」の不要部分です。染めてから切断したので、色が付いてない断面が見えます。
全く同じ染料でも、染色液の濃度、温度、染色時間によって、これ位濃く染めることも出来るのです。
ここまで濃くせずに薄めにしておけば、ピンクっぽい肌にもできる訳です。
わりと自由に色をコントロールできることがわかるかと思います。

さらに、別の色の染料を使えば、
日焼けした小麦色の肌にも、もっと濃いアフリカ系の肌にも、
宇宙から来た緑色の肌にもできると思います。

また、下地の色を活かすので無発砲ウレタン独特の透明感があります。
サーフェーサーだと下地を覆い隠してしまうので、透明感がなくなってしまいマッス。

■短所■
サーフェーサーや塗料で素材の色を完全に隠してしまえば、もう黄変は全く関係ない話になりますが、この方法はそうではありません。染色をした後も黄変が進めば肌の色は変わって行きます。黄変はさほど気にならなくなるのではないかと思いますが・・・

それから上にも書きましたが、均一に染める為には下地の表面の状態も均一にしないとイカンのです。
かなり、かったりーです。
サーフェーサーだったら、逆にキズを埋めてくれるので楽なのでしょうが。

さらに、もし一部分だけ色が落ちた場合、修正が難しいです。
塗装でしたら、そこだけ塗りなおせますが。
ただ染色の場合、表面に塗膜を形成している訳ではなくウレタン自体に色が付いた状態ですので、擦れて色が落ちることは起きにくいと思います。紙ヤスリで磨きでもしなければ。
もちろん、汚れが付着した場合、紙ヤスリで磨いて落とすということは出来ません。ですから、そうならないようコーティングをすることをお勧めします。

■つらつら■
黄変しても表面の薄皮一枚を磨き落とせば元通りになるってのは嘘っぱちです。
ウレタンの黄変は、中の方まで進行します。
まあ、元通りにはならなくても、ある程度良くなりはするでしょうけど。

ところで、黄変ってのは、紫外線を浴びて高エネルギー状態になることで、酸素と反応して酸化することなのかと思ってたんですけど、実際どうなんでしょ?合ってるんだろか、違うんだろか?
御存じの方がいらっしゃいましたら、お教えくださいませ。

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