大阪放送局

2007年11月13日 17時52分更新

病院が患者を公園に置き去り


今年9月、大阪・堺市の病院の職員が、目の見えない63歳の男性の入院患者を退院させ、知人に引き取りを依頼したところ拒否されたため、そのまま大阪市内の公園に置き去りにしていたことがわかりました。
職員らは救急隊に通報していて、男性はまもなく保護されましたが警察は、保護責任者遺棄の疑いもあると見て詳しい状況を調べています。

置き去りにされたのは、目の見えない63歳の男性で、大阪・堺市北区の「新金岡豊川総合病院」に糖尿病の治療で入院していました。病院の説明によりますと、今年9月21日の午後1時ごろ、4人の職員が、男性を知人の女性に引き取ってもらおうとして退院させ、車で連れ出しました。
ところが、引き取りを拒否されたため、職員らは男性をそのまま大阪・西成区の公園に置き去りにしたということです。
男性は職員らが呼んだ救急車にまもなく保護され、現在は別の病院に入院しています。
職員らは救急車が到着する直前に公園を立ち去っていて、病院の調査に対して「あってはならないことをした」と反省しているということです。
男性は7年前から入院していて、2年前に生活保護を打ち切られたため入院費の支払いが滞っていたほか、待遇をめぐって病院とトラブルになっていたということです。これについて病院は「患者を治すという医療機関の立場から大きく外れた行為で、誠に申し訳ない」と話しています。
警察は保護責任者遺棄の疑いもあると見て、職員や病院関係者から事情を聞くなど詳しい状況を調べています。