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国保税軽減世帯の4割

2007年11月13日

 国民健康保険税の軽減措置を受けた世帯数が昨年度、県内の国保加入世帯の約4割にのぼる見通しであることが12日わかった。県のデータをもとに朝日新聞福島総局が集計した。1年前に比べ、実数で約1万3千世帯増えている。国保税額の算定法は自治体や年によっても異なるため一概には比較できないが、低所得者層がますます困窮していることの証しだとの声もある。(田玉恵美)

 県のデータによると、世帯の中に1人でも国保加入者がおり、06年度に国保税を軽減された世帯は17万386世帯。市町村別にみると、これらの世帯のうち、税額の軽減措置を受けた世帯の割合が最も高かったのは、昭和村の72.8%。563世帯のうち410世帯にのぼる。次いで三島町の65.0%、ともに63.3%の只見町と金山町の順だった。

 逆に軽減世帯率が低かったのは、中島村の27.4%で、815世帯のうち223世帯だった。33.3%の福島市、33.4%の郡山市が続いた。

 国保税の税率や税額は市町村によって異なるため、一概に比較はできないが、奥会津の町村部が高く、都市部で低いという傾向が読み取れる。

 軽減された税額のうち、4分の1は市町村が、4分の3は県が負担する。このうち県の負担額は05年度が約46億9千万円、06年度が47億9千万円、今年度が48億8千万円と年々約1億円ずつ増えている。

 全体の4割もが軽減措置を受けている背景について、低所得者の人権を守る活動をしている「県生活と健康を守る会連合会」の弦弓高明事務局長は「国保加入者に多い年金暮らしのお年寄りなどに貧困が広がっている」と分析する。

 軽減措置で7割減額されている人の多くは年金生活者で、ただでさえ生活保護以下の暮らしを強いられており、たとえ3割の額であっても国保税を払う余裕がない人たちだという。「ワーキングプアどころでない現実が国保にはあるのです」と弦弓さんは話している。

 ■国民健康保険税 資産割、所得割、均等割(1人あたりの定額)、平等割(1世帯あたりの定額)の四つを合算して額が決まる。例えば福島市は資産割を設けずに、残りの3要素で税額を決めており、定額分や税率も市町村によって異なる。軽減の割合も、市町村や世帯の所得などによって7割、6割、4割、2割など複数の種類がある。

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