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1月から「分娩」休止へ/どうなる出産

2007年11月13日

●1月から「分娩」休止へ●

 松江生協病院(松江市西津田8丁目)の分娩(ぶん・べん)業務が存続の危機に立たされている。女性診療科(産婦人科)の常勤医3人のうち2人が来月いっぱいで退職し、後任医師を確保するめどが立っていないためだ。同病院は安全な出産のためには「複数の常勤医での対応が必要」との立場。このまま補充できなければ、来年1月から分娩を休止する方針だ。(上原賢子)

≡常勤医複数確保できず≡

 同病院によると、2人の常勤医が9月下旬から10月初めにかけて、相次いで退職の意向を示した。直後から医師探しを始め、10月11日には医師の派遣を受けている鳥取大医学部を大田誠・病院長らが訪ね別の医師の派遣を要請したが、大学側も医師不足で派遣できないと回答があった。12日に院内で協議した結果、「12月末までに医師を確保するのは難しい」として、来年1月から出産への対応を中止する方針を決めた。

 その後、職員に文書などで知らせるとともに、女性診療科の外来窓口で、「分娩の一時休止についてのお詫び」と題したチラシを配り始めた。

 1月以降の分娩を予約していた54人には、松江市内の病院や診療所を紹介しているという。外来の妊婦健診は続ける。

 同病院は87年に産婦人科病棟を設け、ここ10年の分娩件数は年200件前後。不妊治療の専門外来もある。

 昨年同病院で出産し、今回の事態を知った女性たちが呼びかけ人になり、署名活動を展開。「産科及び不妊外来の継続に関する嘆願書」を11月3日、1482人分の署名とともに病院に提出した。

 大田病院長は「患者さんの気持ちに応えるために分娩業務は続けたいが、全国的に産科医が不足するなか、私たちの力だけでは医師確保は難しい」と話している。

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