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11月13日のながさきニュース
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長崎新聞
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薬害肝炎九州訴訟で和解勧告 福岡高裁が大阪に続き2例目
| 薬害肝炎第1次九州訴訟の控訴審口頭弁論で、「和解勧告」の垂れ幕を掲げる原告の福田衣里子さん=12日午後、福岡高裁前 |
汚染された血液製剤で、C型肝炎ウイルスに感染したとして、本県の二人を含む患者十七人が国と製薬会社に損害賠償を求めた薬害肝炎九州訴訟(第一陣)の控訴審第四回口頭弁論が十二日、福岡高裁であり、丸山昌一裁判長は「早期に柔軟かつ妥当な和解による解決が望ましい」と和解解決に言及、事実上の和解を勧告した。
全国五カ所の薬害肝炎訴訟で、和解勧告は七日の大阪高裁に続き、二例目。薬害肝炎訴訟は和解による全面解決に向けてさらに一歩前進した。
丸山裁判長は「大阪高裁は(和解に向け)鋭意検討を進めていると思うが、福岡高裁としても大阪高裁の和解協議の進行を最大限の関心を持って注視したい」と述べ、大阪高裁が来月七日までとしている和解の骨子案の提示後、原告、被告側双方とともに、骨子案にどう対応していくか協議することも確認した。
この日、法廷では本県の実名公表原告、福田衣里子さん(27)=長崎市=ら原告、弁護団五人が意見陳述。陳述の後の裁判長の言葉に集まった原告らが「和解勧告」を確認すると、安堵(あんど)の表情を浮かべた。
高裁前では「和解勧告」の垂れ幕を掲げて駆け寄る原告代理人を、待ち受けた原告、支援者らが拍手で迎えた。記者会見した福田さんら実名公表原告四人は「大変うれしく思う」「大阪高裁の和解協議で大きな後押しになる」と福岡高裁の和解勧告を評価する一方、全国原告団代表でもある山口美智子さん(51)=福岡市=は「(和解勧告は)最後のヤマを登る第一歩であり、これまでで一番高く険しいヤマ。これからが勝負と思う。原告全員の救済と国の法的責任に対する謝罪を勝ち取るまで一致団結して頑張りたい」と力強く語った。
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