現在位置:asahi.com>政治>国政> 記事

小沢氏、辞意撤回 「ぜひ、もう一度がんばりたい」

2007年11月06日22時54分

 辞職願を提出していた民主党の小沢代表は6日夜、鳩山由紀夫幹事長らに「もう一度がんばりたい」と語り、辞意を撤回する意向を伝えた。7日に両院議員懇談会に出席して経過を説明したうえで、記者会見して正式に表明する。党執行部は、福田首相との党首会談など一連の経緯に対する不満を封印し、分裂回避を最優先した。

写真

会談を終えた民主党の小沢代表=6日午後9時24分、東京都港区で

 小沢氏としては「再信任」を受けた形だが、党首会談で連立協議をめざしたことへの不信感は容易には解消されそうもない。小沢氏が国民にどう説明し、次の総選挙に向けてどこまで党内の求心力を回復できるかが当面の焦点となる。

 鳩山氏と菅直人代表代行、輿石東参院議員会長が6日、小沢氏と東京都内の個人事務所で会談。この日の国会議員の期別懇談会で出た意見の概要を伝え、「党の総意」として続投を促した。鳩山氏によると、小沢氏は「大変ご苦労かけた。感謝している。本当に恥をさらすようだが、皆さんの意向を受けてぜひ、もう一度がんばりたい」と応じたという。撤回にあたり双方とも条件はつけず、辞職願はその場で小沢氏に返却した。

 鳩山氏は会談後、記者団に「一連の経緯を反省しながら、むしろ『雨降って地固まる』という状況に、何としてでも変えていかなければならない」と語った。

 これに先立ち、6日夕方にかけて開かれた期別懇談会では、鳩山氏ら執行部が経過を説明。議員からは「辞意撤回なら国民にしっかり説明すべきだ」「代表の党批判は受け止めるが、公の場で言うのはよくない。謝罪がほしい」といった意見も出たが、続投することには賛成意見が大勢を占め、執行部の慰留方針は了承された。

 一方、小沢氏は「意見を聞きたい」と自ら党長老の羽田孜元首相や渡部恒三元衆院副議長、石井一・党副代表を都内のホテルに招いて会談。「代表を放り出すべきではない」と慰留を受けた。

 続投により当面の混乱は回避されたが、連立政権樹立を模索したことへの不信感は根深い。「代表が先頭に立って、対決の旗を振ってくれると期待したい」(若手参院議員)といった対決路線重視が党内の大勢で、小沢氏がこうした党内世論にどうこたえるかが焦点となる。

 小沢氏は4日に会見し「総理から要請のあった連立政権樹立をめぐり、政治的混乱が生じた。けじめとして党代表の職を辞することを決意し、辞職願を提出し、進退を委ねた」と辞意を表明。鳩山氏ら党執行部が慰留方針を固め、党内の意見集約を進めていた。

PR情報

このページのトップに戻る