日本助産師会県支部諏訪地区(小船ひろ子地区長)、県看護協会諏訪支部助産師職能(大沼恵美理事)主催の「いいお産を考える諏訪のつどい」は11日、茅野市文化センターで開いた。諏訪地域の妊婦や産後の母親、助産師、医療関係者ら約70人が参加。それぞれの環境で 主体的な出産をした3人をパネリストに意見交換をしたり、いいお産について小グループでディスカッションした。
産科医不足や、病院の分娩(ぶんべん)受け入れ中止など、諏訪地域でもお産の環境が厳しい中、「子育てや家庭づくりの出発点でもある出産をもっと主体的に考えるとともに、妊婦や医療職がそれぞれの立場で意見を出し合い、より良い方向につなごう」と、参加型の集いとして初めて企画した。幅広い年齢層の女性のほか、夫婦の参加者もあった。
経験者の話では、「信頼できる助産師と出会い自宅で自然分娩した」「困難に直面しながらも望む出産のできる病院を探した」「アロママッサージや鍼(はり)を利用した。家族の協力に助けられた」などの発表があった。質疑応答では普段言えない悩みや病院への意見なども積極的に上がった。
ディスカッションでは、参加者全員が妊婦になったつもりで▽異常のない安全なお産▽自分の力で生んだという満足感のあるお産─をテーマに、「自分は何をするか」を発表し合った。
諏訪地域では、富士見高原病院、諏訪中央病院、平出クリニックなどが分娩受け入れを中止し現在分娩できるのは7施設になっている。主催者は「お産を人(病院)任せにしている人が多いが、こういう状況だからこそ自己管理で満足な出産を考える必要がある。いいお産の定義は無いが『生む力』は誰にもある。その力を発揮できるよう援助するとともに、生の声を医療現場に生かしたい」としている。