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【社会】

時間外救急 軽症なら8400円徴収 埼玉医大、特別費用を検討

2007年11月13日 朝刊

 埼玉医大総合医療センター(埼玉県川越市鴨田、吉本信雄病院長)が、緊急性の低い軽症患者が夜間休日の時間外(救急)診療を受けた際に、時間外特別徴収金(一律八千四百円)を健康保険の適用対象とせずに全額患者負担で徴収する方向で検討していることが十二日、分かった。

 来春にも実施する予定。同センターによると、同様の措置は国立成育医療センター(東京都世田谷区)などで取られており、健康保険適用外となると、患者は五千−六千円の負担増となる。

 総合医療センターでは一九九四年に年間約一万人だった時間外の受診者が、昨年は約四万人に増加。このうち入院の必要がある患者はわずか6・8%だった。

 同センターは、重篤患者を扱う三次医療機関である上、一般の産婦人科では対応できない妊婦と新生児を受け入れる「総合周産期母子医療センター」にも指定されているが、軽症救急患者の急増で、一刻を争う重篤患者の診療に支障を来す事態に陥っているという。

 同センター医務担当の諸田一雄事務次長は「専門的医療を必要とする患者に安全な医療処置をするどころか、患者の激増で医師が疲弊。夜間休日の救急診療態勢を維持することも困難になりつつある」と窮状を訴える。

 現状では、「軽症」と「重症」の線引きや「緊急性」についての明確な基準がなく、窓口でのトラブルが懸念されるため、同センターは統一基準の策定を進めている。

 

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