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岐阜県人材チャレンジセンター人気

1万2000人の就職支援 きめ細かくアドバイス


利用者の相談に応じるキャリアアドバイザー

 国が進めるジョブカフェ事業の岐阜版、県人材チャレンジセンター「ジンチャレ」(岐阜市、多治見市、中津川市)が、自分にあった仕事を探す若者らでにぎわっている。通常のハローワークよりも個人に応じた細かなサポートをするのが特徴で、3年間で約1万2000人が就職した。その一方で、ジンチャレを訪れることが少ないニート対策なども浮き彫りになっている。(中村和男)

 ジンチャレのうち、「ジンチャレ!岐阜」は岐阜市薮田南の県シンクタンク庁舎2階にある。約330平方メートルの部屋には、パソコンが5台置かれ、コーヒーや紅茶が無料で提供される。利用者はゆったりとした空間で求人情報を閲覧したり、5人のキャリアアドバイザー(相談員)に面談したりできる。

 アドバイザーは、求人雑誌の見方から、履歴書の書き方、面接の心得などを個別に指導し、利用者の実情にあった就職相談を心がけている。利用者に代わり応募先の会社の採用条件や待遇の確認、本人の特技などを採用担当者に売り込むことまでやってくれる。

 また、併設されるヤングハローワーク(岐阜学生職業相談室)の求人を閲覧したり、ジンチャレが開催するセミナーや職業訓練に無料で参加することもできる。

 20歳代から30歳代半ばまで毎日約70人が仕事探しに訪れるが、就職志望は、漠然としたものが大半だ。アドバイザーの金武和弘さん(34)は「自分に何が合うか、今の仕事よりもっと向いている仕事があるかを模索している人が多い」と分析する。

 美容関係への転職を志望する岐阜市柳津町の女性服飾販売員(35)は、ジンチャレが行うネイル技術などの職業訓練を受講している。「事務的なハローワークと違って、親身になって聞いてくれる」と何度も足を運んでいる。

 中部経済産業局は、県内3か所の「ジンチャレ」が昨年度、新たに約4400人の雇用を生み出し、経済波及効果は約51億円、国税と県税合わせて約8億9000万円の増収効果があったと試算している。

 しかし、県内では仕事につかないニートやフリータが数万人いるといわれている。土本昌宏・同センター長は「今は選択できる就職先も多い。気軽に立ち寄ってもらい、自分にあった仕事を見つけてほしい」と呼びかけている。

 問い合わせは(0120・89・1149)へ。

 ジョブカフェ事業 2003年に国が策定した「若者自立・挑戦プラン」の中核施策に位置づけられた事業。地域の雇用、産業特性にあった若者の就業支援を行う。民間ノウハウを積極的に活用して、キャリアカウンセリングや人材研修などの一貫した就業支援サービスを1か所で行う。


2007年11月9日  読売新聞)
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