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トルコ大使、NHKに抗議 クルド「描き方が一方的」

2007年11月06日09時07分

 NHKが10月28日に放送した紀行番組「NHKスペシャル 新シルクロード」に対し、駐日トルコ大使がNHKの橋本元一会長あてに、再放送の中止などを求める抗議文を送っていたことが5日わかった。トルコ軍との緊張が高まっている武装組織クルド労働者党(PKK)を取り上げた内容が「一方的で、テロ組織の活動を正当化するもの」と主張している。

 番組は「“希望”の門 トルコとクルド・2つの思い」との題で放送。トルコ兵に焼き払われたクルド人の村や、PKKを支持するクルド人の若者、反対に「武力では何も解決しない」と語る元PKKの男性などを報じた。

 セルメット・アタジャンル大使が10月30日付で橋本会長にあてた文書によると、「20年間でトルコの国民3万人以上の尊命を奪ったPKKは、国際社会ではテロリストと正式に認知されている」としたうえで、番組が「その支持者や同調者の協力のもとで作成されたことが明白だ」としている。

 在日トルコ大使館は、「クルド人の多くがPKKを支援しているかのように取り上げられているが、事実ではなく、バランスが取られていない」と説明する。

 11月1日未明の再放送の中止も求めていたが、NHKは予定通り再放送した。

 NHK広報部は「トルコ大使館から、再放送中止を求める文書が届いたのは事実だが、それが必ずしも抗議だとは認識していない。番組はトルコの現状を客観的に伝えたもので、取材も誠実に対応した」としている。

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