財政制度等審議会(財務相の諮問機関、西室泰三会長)が近くまとめる「08年度予算の編成等に関する建議(意見書)」の骨子が12日、明らかになった。地方自治体の財政力格差を是正するため、税収格差が最も大きい地方法人2税(法人事業税・法人住民税)の納税方法を抜本的に見直すよう求めるほか、ガソリンにかかる揮発油税などを道路整備に充てている道路特定財源について、暫定税率で上乗せされた現行の税率水準を維持しながら「道路歳出を上回る税収は一般財源化する」と明記する。在日米軍の駐留経費を負担する「思いやり予算」の削減も盛り込むなど、歳出・入両面で踏み込んだ内容となっている。
地方法人2税は現在、企業が従業員数や利益に応じて事業所のある自治体に納税している。大企業が集中する都市部に税収が偏るほか、大都市に本社を置く企業が地方に子会社を置くケースでは、課税対象となる利益が本社所在地に集中するため、建議は「経済力格差以上の税収格差がある」と指摘。企業の実際の活動に見合った納税方法に改めるよう提言する。
道路特定財源については「厳しい財政事情などを踏まえ、07年度末までに昨年末の閣議決定に沿った改革を確実に実現すべきだ」とし、一般財源化を促す。
また、来年3月に期限切れを迎える思いやり予算について、米軍基地内で働く日本人労働者の人件費や米軍の光熱水料の削減を求める。医師の技術料などにあたる診療報酬本体(薬価を除く)について「医師の高給」を指摘し、引き下げを提言する。【須佐美玲子】
毎日新聞 2007年11月12日 19時53分
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