紙端国体劇場デジタル

ゆるかったりゆるくなかったり鉄道だったりを擬人化して遊んでる隅っこサークル。
全裸大好きな管理人が羞恥心に負けて半裸で営業するブログです。
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彼をその気にさせる10の方法(山形×東海道)
部屋をノックした、が、返事は無かった。ノブを回したら当然とばかりに開いた扉の先で備え付けの机に座る見慣れた背中がある。声を掛けようと口を開き、しかし言葉は発さぬまま背後からそっと近付いた。


その1:後ろから抱き付いてみる

急に抱き付いて驚いた拍子に肘で殴られても敵わないと思い、わざと足音を響かせるように近付いた。それでも彼が全く気付いていないのは明白だったのだが、何のクッションも無いよりはマシだ。椅子に座る背後に立ち、肩の上から腕を回そうと両腕を持ち上げる。
と、それに反応するように彼が机の上に広げた本のページを捲る音がした。視線がまた左上に動き、そのまま固まったように動きを止める。その様子に背後で手術前のドクターのように両腕を上げていた人物も同調する等に止まってしまった。タイミングを、逃したのである。
すいっ漸くの時間で視線が動き止まっていた時間が動き出す。背後で息を詰めていた人物はそれにほっとした呼吸を吐き出し、しかし今しがたの一連の自分の行動を振り返って高揚していた気持ちが一気に落下するのを感じた。これではまるで。
「殺人事件の犯人か、わたしは」
「どした?東海道」
思わず呟いた言葉で背後に立つ東海道に気付いた山形が、図鑑から視線を外し不意と振り向いた。相変わらずの表情のある無表情で背後で固まる人物をじっと見上げる。
「お前、返事、しない、から」
「…そうけ?そらぁわるがっだなぁ。茶でも飲むか?」
動揺して思わず片言になった言葉を気にする様子も無く、本を閉じて椅子から立ち上がった山形は東海道の横をするりと通り過ぎてすたすたと備え付けのキッチンへ歩いていってしまう。まるで油の足りない機械のような動きで首を回した東海道がじっとりとした目でその後姿を眺めた。
「アールグレイでええか?」
「………うん」
思わず子供のような返事をしてしまい、ギシギシとした機械の動きのまま耳まで真っ赤になった東海道だが、相変わらず周囲を気にしない山形は振り向かないままだったのでその事実に気付くことも無かった。


その2:隣に座ってみる

ほれ、と差し出されたティーカップを両手で立ったまま受け取り、自分のマグカップを持って移動する彼の姿を自動書記のように追い続けた。ギッと音がして彼が座った先は、先ほどの机と対になる、椅子。その様子を見た東海道の顔が思わず歪んだ。
「違う!そこじゃない!」
「何が?」
「それは一人用じゃないか!一人しか座れないじゃないか!」
「んだがぁ、おめぇさはベットにでも座らっせ」
「違う!そうじゃない!それじゃ意味が無い!!」
喚き立てる東海道をじっと見つめ、首を傾げた山形は今しがた座ったばかりの椅子から腰を上げ、泣きそうな顔をして立ち尽くす東海道の隣に存在するベットの上に腰を下ろす。その様子を見て悲壮な顔をしていた東海道が少しだけ緩んだ。
「したら、おめぇがその椅子座らっせ」
その言葉に緩んだ顔が元の悲壮なものに変わるのに30秒も掛からなかった。
「違う!」
叫んだ拍子にカップの中が揺れ、中身が毀れて手に掛かった。熱っと叫んで揺れた身体の所為で更に中身が溢れる。あ、と思った瞬間に持っていた右手を掴まれた。


その3:軽くボディタッチしてみましょう

「火傷すんべ、東海道!」
やや強めに掛けられた声に意識が集中する。彼に握られた右手が熱い、全神経がそこに集中していくように時間が止まっていく、彼自身が熱を持っているかのように、熱さが身体に浸透する。思わずぽつりと呟いた。「熱い」
「冷やさんとてぇへんだべ!」
右手からティーカップを奪った山形がぐいっと強く東海道の腕を引き流し台に連行する。蛇口を捻って出した流水で紅茶の掛かった手を冷やし始めた。腕はまだ、掴まれたまま。
「ちょっと冷てぇけんども、我慢してくんろ」
「あつい……」
「すっだに熱いっつーなら、病院行った方がいいべ、東海道」
とりあえず医務室…と続いた言葉に我に返った。衝動的に、またしても「違う!」と叫んでしまう。叫んだ先にある山形の顔が驚いたように目を丸くした。
「違う…熱いんじゃなくて…熱いんだ…」
「東海道…」
「山形…違う……山形…」
泣きそうな目で見つめ返せば、視線の先の顔がそっと眉を寄せた。するりと左頬を撫でる感触を感じる。山形の右手が東海道の顔をそっと包み、額にかかる髪をかき上げた。山形…唇から小さく、名前が零れた。
「熱あんでねぇか?東海道」
「違う!」
夢見心地の感覚を一瞬にして現実に戻す発言をした当の山形は、その様子の東海道を見てまた眉を寄せたのだ。


その4:背後から駄目なら、いっそ正面から

「やまがた!」
叫んだ勢いのまま抱き付いた。自分よりも少しだけ身長の高い彼の背中に腕を回す。顔を見られるのが恥ずかしくて体重を掛けて額を預けたら、押し付けた頭にそっと乗せられた手のひらの感触がした。
「東海道…」
呟きながら頭を撫でられ、その感触にうっとりと目を閉じた。背中にきつく回した腕を少しだけ緩め、彼からの行為を大人しく享受する。もう片方の腕が背中に伸びて、これはもうあれしかないだろう、と漸く張り詰めた息を吐いた。耳元に低く呟かれる声。
「目でも回るんか…?風邪でもひいたんだべ。薬持ってくるけぇ、そこで寝てやっせ」
違う!とまたしても叫びたくて、しかし叫ぶよりも前に涙腺が緩んだ。つんとする鼻の奥を押さえるように鼻をすする。どうしてわかってくれないんだ、こっちはこんなに努力してるのに、気付く所か全く別の心配をされているなんて、そんなのは酷すぎる、山形は酷すぎる。
ひくっと喉の奥が引き攣った、しゃっくりのような息が勝手に出て涙腺を更に刺激する。こんな事で泣くなんて、否、こんな事で泣かされるなんて。
「やまがた……やまがたぁ……」
「うん…キツイんか東海道?頭痛薬しか持ってねぇけんども、それ飲むか?」
「やま……っ」
泣き声がしゃっくり上げた息に邪魔された。もう堪えることは不可能だと思った。


その5:いっそ泣き落としとかどうでしょう?

突如自分にしがみついたまま泣き出した東海道に、果て今度は一体なんだと山形は思考を巡らせた。風邪でも火傷でも無い、じゃあ情緒不安定なんだろうか、それ以外は特に思い当たらない。最近も事故や故障が連続して起きたので堪えていたものが一気に噴出したのかも知れない。
「でぇじょうぶか東海道、ほら、飴っこさやっから、な?」
「うぅぅ……」
首を振っていらない、と答える東海道を仕方なしに強く抱きしめて、ぼんやりと立ちすくんだ。正直わめき散らすことはあっても無言で泣かれることは少なかったので、現在どのようにして慰めようか検討中だったりする。食べ物も駄目、飲み物も駄目、かといって大人しく座っていてもくれない、果てさてどうしたら。
うーん、と涙にふける相手を抱え込んだまま入り口に視線を送ったら、何の因果か丁度良く扉が開いた。
「山形ー!ここに東海道…」
「あぁ、さん…」
「失礼しましたー!」
開いた瞬間閉まったドアをぼんやりと見つめ、用件だけでも伝えてくれればよかったのに、と思った。腕の中の東海道は全くそういう状態ではないのだが、落ち着いたときに伝言を伝えることは出来る。もう一度ドアが開いたら伝えよう、と思いぼうっとしたまま扉を見つめ続けたが、その後その扉が音を発することは無かった。


その6:周囲の協力とか仰いでみては?

「山陽山陽、東海道は?」
「今取り込み中だ」
取り込み中?と首を捻る秋田から山形の部屋へ続く扉をガードしつつ、視線で向こうへ行け、と伝える。と、その後ろ突如にすっと現れた上越がとても嫌な笑顔で笑った。
「そうだ、僕も用事があるんだった、山形に」
「山形も取り込み中だ、上越」
「いやいや、そんなお気になさらずに」
気にするかしないは相手が決めることだ、と心の中で突っ込みを入れつつ睨んだら、相手はニコニコ笑いながら相変わらずファスナーを閉じていない制服の内ポケットに手を入れ薄型デジカメを取り出し、何故かガード中の山陽目掛けてシャッターを押した。
「お姫様はご機嫌が悪いのかな?」
「せめて王子って言ってやれよ」
「東海道が王子だったら王様は誰なんだい?」
その質問に思わず、東海本社か?と首を捻った僅かな隙に甘くなったガードの横を上越がするりと通り抜けた。「あ!」と叫んだ山陽を振り返ることも無くドアノブに手を掛ける。
「東海道!」
楽しげに弾んだ声が宿舎の廊下に響いて、扉の開く音。

は、しなかった。

ぐいっと首根っこを引っ張られた上越が、自分のそれを掴み上げる人物の顔を憎らしげに見つめていた。「東北……」
無言のまま子供を叱るような視線で見つめられ、立場が悪くなった上越が軽く舌打ちをする。掴んでいた手を乱暴に外し「ほんっと、お前は何時もいい所で邪魔するよな」とぼやく。無表情で言葉を受け止めた東北が、視線を少しだけ遠くへやった。
「東海道、たまってるから」
ぽつりと呟いた言葉に一瞬で世界が凍り付いた。呆然とした秋田や山陽が言葉を発せないままに発言者を見つめる。普段余り喋らない彼が言葉を発する時は、大抵とても余計な事を言う時だった。


その7:雰囲気を変えてみましょう

騒がしかった廊下の音が静かになったなと思ったら、カツカツと数人の足音が部屋の前から遠のいていった。居たのは山陽だけだったと思ったが、そ知らぬ間に人数が増えたらしい。とりあえずドアを開けられることは無くなったな、と思った山形が漸くにしてそこから視線を外した。嗚咽の止まった東海道の頭をまた優しく撫でる。さて彼が望んでいるのはどういう行為なのだろうか。
「東海道…腹減っだが?」
何か食うか?と問うた言葉には首を横に振られた。でもとりあえず場所を移動して…と胸にうずまる東海道の肩を掴んで放そうとしたら、それは嫌なのか背中に回された腕が強めれrた。でも何時までもこんな所で立ち尽くしている訳にもいかない。視線を上向きに移して、彼は幾ばくかの間考え込んだ。
「東海道、おめぇ、どうしてぇんだ?」
して欲しいごとさあんなら、言ってみろ、と促した山形の問い掛けに、彼は相手の背中に回した手のひらをを握り締めた。掴まれた先にあった濃緑の制服に深い皺が刻まれる。ぐりっと額を押し付けて、小さく響く声で山形の名前を呼んだ。
「ん」
喉の奥で返事を返して頭を今一度撫でる。暫く動きのなかった彼がふと、目元を赤くした顔で自分を見上げてきた。


その8:もう素直に言っちゃえばいいんじゃないでしょうか?

耳元に荒い息遣いが聞こえる。何かを言おうとして、しかし告げられない彼の唇がかする様に触れてくすぐったい。何度目かのつばを飲み込んだらしい彼の喉から小さくごくりと音が響いた。
「や……ま、が……」
「うん」
密着させた身体が、既に熱を伝えている。しかし優しく答える声はそのままで、恐らくは理解しているだろう自分の状態に気付かない振りを続ける。ずるい男だ、こんな時だけはそう思い、言葉を出そうと喉を開く。
「やまがた……た……」
「うん」
体温が高い、意思を持ったような下腹部に熱が集まる。気付いている、気付いている、気付いている、はずなのに。
握ったままだった背中の制服を、更に強く握り締めた。この皺は中々取れそうもない、自分の中の熱と同じで。そう思ったらふと、強固だった意思が少しだけ揺るんだ。
「……したい」
やっとのことで呼吸のように小さく呟いたら、頭を撫でていた手が顔と同じく熱を持った耳たぶに触れた。するりと喉元まで撫で下ろされ、制服の首元の金具が外された。下の肌に触れるようにゆっくりとファスナーが引き下ろされる。耳の横に触れ、囁くような小さな口付け。
「しっとるよ」




10まで必要無くて良かったね、上官!
エロとかなんか寄越せ!な要求に答えて下さった皆様へのお礼です。感謝!
感謝なのに色々つたなくてごめんなさい…。



| ■ひっそりとなにか | 23:39 | - | - |
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