県内の保健、福祉、教育などの関係者でつくる「県少子化対策推進協議会」(会長=森下正康・和歌山大学教育学部名誉教授)は9日、県の少子化対策について「大胆な経済的支援」「仕事と子育ての両立可能な仕組みづくり」「若年者の就労支援」の3点を仁坂吉伸知事に提言した。
協議会は2006年9月から通算5回会合を開き、少子化対策を検討してきた。この日県庁を訪れた森下会長は「将来的に県の人口はどんどん減っていく推計がある。子どもは宝との観点から、積極的な施策を講じてもらいたい」と述べた。
今年5月に研究機関が発表した県の将来人口は、2035年には73万8000人と推測され、05年の103万6000人に比べて28・8%減少。人口減少率は秋田県(31・7%)に次いで全国2位の高率だった。
また、65歳以上の老年人口割合は、05年の24・1%から2035年には38・6%に達し、秋田県(41%)に次いで全国2位と公表されている。
協議会は原因として、男女の育児意欲の低下と晩婚化、未婚化を示している。子育てに対する負担感や経済的不安の増大などが背景になっているという。
提言はこうした状況の打開策として、出産や育児にかかる経済的負担を軽減するため、子育て機運を醸成し県民理解のもと、大胆な経済的支援を行う▽企業、地域、行政が一体となって仕事と子育ての両立可能な仕組みをつくる▽結婚に対する経済的不安を取り除き、若年者が地域にとどまり結婚することを可能とする若年者の就労支援施策を行う―の3点を求めた。
これに対し、仁坂知事は「知事になってまず手掛けた3つの施策(防災、道路整備、少子化対策)の一つ。子育て環境がよくなるよう取り組んでいく」と述べた。
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