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フンドーダイ、上海で食品卸事業(07/11/10) |
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調味料製造販売のフンドーダイ(熊本市、大久保太郎社長)は12月から中国・上海市で食品卸事業を始める。同社は1995年からしょうゆやみそを中国に輸出してきた。このほど新会社「百思福食品貿易(上海)有限公司」を設立。自社製品に加え、フンドーダイが調味料を供給する現地日系メーカーの加工食品を中国で拡販。自社調味料の需要拡大につなげる。
10月に現地当局から中国国内での販売や輸入などの営業許可を受けた。関税などの手続きを経て、年内には販売活動を始める予定だ。フンドーダイの2006年度売上高は27億円。このうち海外向けは3億4000万円だったが、09年度にはこれを5億円程度まで増やす計画だ。
日本向けに冷凍食品などを製造する現地日系食品メーカーには、中国市場に関心を持つ企業も多い。ただ、自前で中国国内の販路を開拓するのは難しいという。フンドーダイは中国進出時に大連市(遼寧省)に自社製品の販売会社を設立、代理店を開拓している。これを発展させる形で、他社商品の販売にも活用できると考えた。
日系食品メーカーの販売量が増えれば、しょうゆやみそを供給するフンドーダイの製品輸出も増える。しょうゆなどは小売り向け製品を輸出するより、現地工場の原材料として輸出したほうが関税が安いという。取引のある企業の製品を卸事業を通じて拡販することは、自社の収益拡大にもつながるとみている。
市場が大きく貿易拠点として成長する上海に関連会社を設立するのを機に、小売り向け商品の中国販売も強化する。従来は現地の日本人が主な販売対象だったが、中国語のラベルで使用法を提示し現地人向けの需要を開拓する。中国では「食の安全」の問題から日本の食への関心も高まっている。将来は高級製品以外でしょうゆの現地生産も視野に入れる。
フンドーダイは江戸時代前期の寛永年間に酒造を始め、明治初の1869年にしょうゆ醸造に転じた老舗企業。こうした食品メーカーが中国で卸事業に乗り出すのは珍しいという。同社は米国や中国以外のアジアにも製品を輸出している。今後も欧州やイスラム圏も含め、海外事業を一段と強化する。 |
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