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2007年11月11日
光市事件に関しては、ネットではたぶん私が最も安田弁護士を批判してきた弁護士の一人だろうと思います。
同時に、今、光市弁護団以外の弁護士では、私が橋下弁護士を最も声高に批判している弁護士の一人だろうと思います。
一見すると矛盾する批判のように見えるかも知れませんが、実は根は同じなのです。
私が、安田弁護士(足立弁護士も含みますが)を批判するきっかけになったのは、最高裁弁論のドタキャンでした。
その最大の理由は、(当時の情報に基づく限りにおいてですが)、安田弁護士らのドタキャンは、弁護人抜き法案の材料にされかねないという危惧を覚えたからです。
そして今、私が橋下弁護士の懲戒扇動を批判するのは、それよりはるかに深刻に刑事弁護制度全体に対する悪影響を懸念するからなのです。
司法試験制度の改革(改正かどうかはともかく)により、私が合格した当時よりも司法試験合格者の数は増えましたから、弁護士の数も増えることが予定されています。
しかし、それにもかかわらず刑事弁護士の数は今後も十分確保される見通しが立たないのです。
弁護士が増えたとしても、弁護士の大都市集中の傾向は変わらないと思われますので、地方都市における弁護士の数が今後劇的に増えるとは思えません。
また、大都市・地方都市の別にかかわらず、自営業者たる弁護士の経営基盤は民事事件である場合がほとんどです。
なぜならば、刑事事件の依頼者の多くは資力に乏しいからです。
また、刑事事件は民事事件に比べて時間効率が悪い場合が多いです。
民事事件においては、依頼者との打ち合わせ等は、依頼者に事務所まで来ていただいて行うことができますが、刑事の身柄事件(被疑者・被告人が逮捕・勾留されている事件)では、弁護士が警察や拘置所まで出向かなければなりません。
そして、警察や拘置所は、弁護士の事務所から近い場所にあるとは限らないのです。
時間効率の面で今後さらに問題になるのは、裁判員制度実施またはその予行演習的な公判の集中審理です。
集中審理のためには、一定期間その事件に文字通り集中しなければならず、その期間は他の事件を並行して行うことが困難です。
また、起訴前の段階においても、刑事の身柄事件は、被疑者の逮捕に即座に対応しなければなりませんから、民事事件よりはるかにタイムマネージメントが困難になります。
言い換えますと、いつ起こるかわからない被疑者の逮捕に即応するためには、時間的余裕がなければならないということであり、弁護士の数がそれなりにいたとしても、たまたま時間的余裕がある弁護士でなければ有効な刑事弁護ができないということなのです。
さらに、平成18年から施行された被疑者国選制度とその拡大に対応するためには、これまでよりはるかに多くの刑事弁護士(刑事弁護に即応可能な弁護士)が必要になります。
このように刑事弁護を巡る状況は本来的に厳しいものがあるのですが、そこに刑事弁護に対する無理解が重なりますと状況はさらに深刻になってきます。
世間の批判と非難を集めるような被告人(オウム事件、光市事件、和歌山カレー事件のような事件の被告人)の弁護人になると、顧問先から顧問契約を打ち切られたりして単に時間的ロス以上の経営に対する悪影響が生じる場合があります。
思いつくままに刑事弁護を取り巻く状況を述べてみましたが、刑事弁護というものがいかに個々の弁護士の使命感に支えられているかご理解していただけると書いた甲斐があるというものなのですがいかがでしょうか。
そこに降ってわいたのが、橋下弁護士の懲戒扇動問題なのです。
橋下弁護士が扇動した懲戒請求自体は、理由のないものです。
理由がないものなのだったらほっとけばいいじゃないか、という意見もあります。
しかし、今回の懲戒請求扇動は、刑事司法に無理解な世間の声に迎合したテレビ発言を発端としており、その後に誤りを認めるのであればともかく、テレビタレントとしての発言力と知名度を利用して、さらにテレビやブログで自己の発言を「世間」に向けて正当化し続けているのです。
橋下弁護士のこれらの一連の言動は、懲戒手続の結果如何にかかわらず、これから刑事弁護に携わろうとする多くの弁護士の現実的負担や不利益を増大させるものであり、その必然的な結果として、これから刑事弁護に熱意と使命をもってもらわなければならない若手・中堅の弁護士のモチベーションを深く傷つけ、一人でも多くの弁護士が刑事事件を担当しなければ維持することすら困難な刑事弁護制度の運営をより深刻化させるものと思われるのです。
これが批判せずにいられるでしょうか、というのが私の気持ちです。
刑事弁護 | , 橋下懲戒請求扇動問題 | Comments [62]
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コメント
そういえば、対橋下裁判の代理人の弁護士たち(懲戒扇動被害対策弁護団)は、「お前たちのためにやるんじゃない。自分たちのため、すべての弁護士のため、そして日本の刑事弁護の将来のためにやるんだ。」と、言ってくれました。
また、「義を見てせざるは、勇なきなり。」とも。
彼らも、完全ボランティアで、無料弁護です。
光市事件の刑事弁護を無料ですることを批判されてますが、対橋下裁判弁護団(光市弁護団とは別人ら)も、無料弁護です。
逆にむしろ大多数の弁護士が傍観されているのが残念です。
かつてのこのブログ常連のいのげです
この問題についてこのブログではざっとしか呼んでませんです
どなたでもけっこうですから教えてください
モトケン先生が当然の前提として語られる
「光市弁護団が死刑制度廃止論を主張していない」
はどこに確認できるソースがあるのでしょうか?
モトケン先生はワイドショーの女子穴が不勉強である旨
おっしゃられてたと記憶してますが
宮崎哲也や勝谷誠彦らそこそこお勉強してらっしゃると
思われるあたりも同様の主張(事実認識)をしている
さらに法廷で弁護団が廃止論を主張してるかどうかと別に
主任弁護士である安田弁護士が死刑は意思論者であることは
相当間違いないと思われる
顕在的に論じるか潜在的に思惑を忍ばせるの違い抜きに
法医学的技術的論点に絞ってるといっても
その動機まで溯るとあながち排除できない気もしますです
むしろ手弁当で参加するのは
廃止論活動の一環であるからと考える方が
無知蒙昧な一般人には整合性を感じられるのであります
(とくにヘンテコリンな死刑制度廃止論弁護士を
某たかじん番組でみた後には)
そこらへんについて補足説明していただけますと
幸いであります ソースへのリンクだけでけっこうです
>いのげ さん
論理的に言ってですが
弁護団は殺人ではなく傷害致死を主張しています。
傷害致死罪の法定刑には死刑がありません。
光市事件における弁護団の主張には、死刑制度の是非を論じる前提がないのです。
なるほど
死刑廃止論とは死刑相当の罪状が
成立した上での話というわけですな
タテマエがそうでも動機があやしいというあたりが
世間の認識なのでしょう
一般論として絞殺で傷害致死は相当難しいと思うので
サッサと公判を進行させていただきたいもんです
「光市弁護団が死刑制度廃止論を主張していない」 はどこに確認できるソースがあるのでしょうか?そもそもどこに主張しているというソースがあるのでしょうか ?
宮崎哲也や勝谷誠彦らそこそこお勉強してらっしゃると思われるあたりも同様の主張(事実認識)をしている彼らの発言を見ている限り,刑事事件に関するお勉強はしてません。たかじんやざこばと同レベルです。
むしろ手弁当で参加するのは 廃止論活動の一環であるからと考える方が 無知蒙昧な一般人には整合性を感じられるのでありますどういう思考過程を経たら,そのような結論になるのでしょうか? 手弁当で参加するのは「弁護をしなければならないのに,誰も引き受けないから。」という一点につきると思います。
あと,本件ではそもそも死刑回避云々の問題ではないというのはモトケン様のコメントのとおりです。
死刑回避を目的として少年の言い分や客観的証拠に反していることを知りながらあえて傷害致死を主張しているわけではなく,少年の言い分や客観的証拠に基づいて傷害致死の事実と認定できる(と弁護団は考えている。)からそのように主張しているだけです。
>No.6 ぷり(駆け出し弁護士) さん
>どういう思考過程を経たら,そのような結論になるのでしょうか?
参考までに・・
私の場合でいうと
「人の行動は自分になにかしらメリットがある場合起こす」ということと「プロフェッショナルならば逆に報酬に拘るのでは」という前提から
「無報酬」ならば「何が弁護士にメリット」があるのかと想像し、限られた情報と乏しい知識で理解しようとしたら「死刑制度廃止」運動に結びつけるのが腑に落ちたからです。
⇒無報酬ときくとどうしても「政治活動」などに結び付けたくなります。
※一応断っておきますが、弁護士さんの使命感を否定する気はありません。
> 「死刑制度廃止」運動に結びつけるのが腑に落ちた(No.7 カツビン さま)
死刑廃止にさせたかったら、
死刑になりかかった被告人の弁護をするより、
立法化に向けて国会ロビー活動など、純粋な運動として展開するほうが、よほど効果的です。
-----
> 「無報酬」ならば「何が弁護士にメリット」があるのかと想像し
ああ同志らよ、弁護士たちよ、我らは余りにも献身が過ぎたのだ!
一般市民は拝金主義に毒され、大義のために仕事をすることがあろうとは、想像も及ばぬ。
真面目に仕事を続けておれば、いつの日か理解者が現れるであろうというのは、全くもって希望的観測であった。
むしろ仕事をするより、「しない」ことのほうが、正しい道であった。
十分な報酬を支給されるのでなければ、国選事件を引き受けない!
断固とした主張を掲げて、ストライキに打って出るべきであったのだ。
そうして
予算の手当が付く日まで、何人の無辜の被告人を、不当に重い刑を科された被告人を、貴い犠牲と祭り上げて見送ればよかったのか?
>No.9 YUNYUN(弁護士) さん
まだ浅いですが、「刑事弁護」にちょっと理解をするだけで、「割りに合わない仕事だな」という思いになりました。
だからこそ、「刑事弁護」に対する理解を求める「広報」が必要というのが私の意見です。
※当ブログは非常に有効だと思います。最低でも私一人は見解の変化があったわけですから。
但し、他でも書いていますが、ネットは「自から」行動(調査など)しないと辿り着けないため、特にTVでしか情報を得ない多くの人のために、TVでの広報活動が必要だという意見です。
>No.9 YUNYUN(弁護士) さんのコメント
にイタクご同情申し上げます。
ちょっと前に全く同じ慨嘆の声を挙げたプロ業界に属する者として、ですが(笑)。
結局のところプロを知るものはプロのみであり、今の日本の政治(行政)とマスコミには、プロに似て非なるプロシミニズムはあっても真のプロフェッショナリズムはないということでありましょう。
あ、プロフェッショナリズムがない代表は最高裁判所だと思います。
一番言いたいことを書き忘れちった(爆)
そもそも法廷を死刑廃止に利用するってどういう意味なのでしょうか?
弁護団の具体的な弁護活動のどれを指してそう言ってるのでしょうか?
弁護団の行動に死刑廃止に繋がるものがあるのでしょうか?
死刑廃止論者が死刑事件を弁護したら全てそうなるんでしょうか?
興味の尽きないところであります。
>No.10 カツビン さん
>最低でも私一人は見解の変化があったわけですから。
とおっしゃるので、追い打ちはかけたくないのですが、
>「人の行動は自分になにかしらメリットがある場合起こす」
であれば、仕事をやろうがやるまいが給料の変わらない公務員としては、何もしないことこそが、自分にメリットがあることになります。(そのような公務員も多いですが)
私が仕事をやる上で、それが住民にとってためになることだと考えてやっています。私も上記のように批判されれば、モチベーションは下がりますし、やる気も失せるでしょう。そのような意味でいつも冷静なYUNYUN(弁護士)様の嘆きは充分理解できます。
ただ、カツビン さんも理解できたとのことですので、非難というよりは、愚痴として聞いてください。
まぁ,今の世の中ローでも刑事法をあまり勉強したがらないという話も聞いていますし,仕方がないことですかね・・・・
私は最初の自己紹介でも述べたとおり,刑事弁護を中心というかほぼそれオンリーの仕事をしている弁護士です(どういう身分なのかは,弁護士の皆様察してください・・・)
「無報酬」あるいは「低報酬」でも刑事弁護やる理由・・・
一言にまとめると「使命感」ということになるんでしょうか。
砕けていうと「誰もやらなきゃ俺がやる。」という感じで。。。。
どの弁護士も同じような感覚で刑事弁護をやっているのではないでしょうかね?
No.15 ぷり(駆け出し弁護士) さんのコメント
>一言にまとめると「使命感」ということになるんでしょうか。砕けていうと「誰もやらなきゃ俺がやる。」という感じで。。。。
どの弁護士も同じような感覚で刑事弁護をやっているのではないでしょうかね?
私は弁護士ではありませんが、その感覚は理解できます。というか、今枝弁護士のプログやここに来て初めて理解出来ました。
それを同業でありながら踏みにじるような発言をした橋下弁護士を弁護士として認められません!発言後の今日までの態度もさらに許せません。今枝弁護士他の原告団には中途半端な和解とかではなく徹底的に争って欲しいと思っております。
No.9 YUNYUN(弁護士) さん
>一般市民は拝金主義に毒され、大義のために仕事をすることがあろうとは、想像も及ばぬ。
>真面目に仕事を続けておれば、いつの日か理解者が現れるであろうというのは、全くもって希望的観測であった。
義のために仕事をする人は、理解者など求めぬものである。
>予算の手当が付く日まで、何人の無辜の被告人を、不当に重い刑を科された被告人を、貴い犠牲と祭り上げて見送ればよかったのか?
常に被告が不当な罪を課される可能性が強いとのお考えで
したら、検察のあり方と裁判所に問題があるのでしょう。
陪審員制度で少しはましになりますかね?
>No.17 昼寝 さん
>義のために仕事をする人は、理解者など求めぬものである。
ここまで空気の読めない人だとは思わなかった。
思ってた人はけっこういそうだけど。
読めないのは空気だけではないようだが。
自分の個人的体験のフィルターを通してしか物事を見ることができなくなったら、客観的認識は不可能と知るべきです。
追記
> 常に被告が不当な罪を課される可能性が強いとのお考えで
したら、検察のあり方と裁判所に問題があるのでしょう。
その問題を誰が指摘すると言うのでしょう?
奇しくもたかじんのそこまで言って委員会で勝谷さんがこんなことを言っていた。
「ジャーナリストはみんな功名心があるんだよ。ただこれは世間一般の人が思うようなお金とか名誉とかそういうのじゃなくて、このニュースを俺が伝えたんだ、という裏方的な物で全然かまわないんだ」
記憶で書いているので大まかに捉えて欲しいですが刑事弁護でも重なるんじゃないかと思います。
#橋本弁護士は光市弁護団を叩きたいのもあるだろうけど
それ以上に大阪弁護士会を叩きたいんじゃなかったのかな〜って思っています。
この問題の前に弁護士会への不満を言ってましたから(ちらっとでしたが)
義のために仕事をする人は、理解者など求めぬものである。
ア●か。あんたは。
我々は義のために仕事をしているわけではありません。
人権を守るという近代国家の存立にかかわる仕事をおこなっているだけです。
刑事弁護も含めた司法システムの崩壊は他ならぬ国民全員に影響があるということくらい理解してください。
とりあえず,マグナカルタのあたりから世界史の勉強をやり直してください。
No.18 モトケン さん
>ここまで空気の読めない人だとは思わなかった。
変なにおいの空気だと思ったから書いたまで。
>思ってた人はけっこういそうだけど
と続けた時点で、このプログの性質がわかりますね。
>自分の個人的体験のフィルターを通してしか物事を見ることができなくなったら、客観的認識は不可能と知るべきです。
全員、客観的な認識での意見を求めるなら、そう宣言される
と良いと思います。
世の中には、弁護士さんに関係があるとしたら、例えば
「被害者の会」など個人的体験を通じて意見を表明する
ことは、いくらでもありえます。
>その問題を誰が指摘すると言うのでしょう?
「大義のために、弁護士さんが使命感で行っている」というのがいわゆるここの空気もしくは、客観的認識でしょうか?
弁護士さんは、犠牲的精神主義者ではなく、偽善者で
良いと思います。
偽善者につきましては、揚げ足覚悟ですが、悪い意味では
ありません。
No.21
No.17の「義」の意味を取り違えていると思いますが。
「人権を守るという近代国家の存立にかかわる仕事」(No.21)は、No.17の「義」とほぼ同義かと思います。
違うかなぁ〜?
No.17 昼寝 さんのコメント
>義のために仕事をする人は、理解者など求めぬものである。
100歩譲ったとしてここはそんな哲学(?)を語る場所ではないでしょう。
今はそれを同業の弁護士が踏みにじり、かつ、現実に問題を引き起こしたことを議論すべきと思います。
微力ながら原告団を全面的に応援します!
No.21 ぷり(駆け出し弁護士) さん
>ア●か。あんたは。
あえて流しておきますが、ゆえに以下につきましては上記と
同義だと思いますので答えようがありません。
まあ、一定の学習、知識を持ってから発言せよということ
と聞いておきます。
No.24への自己レスです。
「理解者を求めぬ」の部分への反論でしたかな?
そうであっても、私自身は、「理解者を得るという利を積極的に求めずとも、信念を貫いて行動していればいずれは分かってくれる、という意味に受け取りました。
それと、「ア●」というのは、関西では口頭で気楽に使われるかもしれませんが、全国版の文字情報としてはよろしくないかと思います。
No.25 法は知らな損 さん
>100歩譲ったとしてここはそんな哲学(?)を語る場所ではないでしょう。
今はそれを同業の弁護士が踏みにじり、かつ、現実に問題を引き起こしたことを議論すべきと思います。
そう、言いたかったのであえて、書き捨て「哲学」をぶったのですが。。。。。
予想に反するモトケンさんの反応がありましたので。。。。
私の、空気の読み方と説得力の無さのせいでしょう。
全国版の文字情報として
「偽善」という言葉に伴う名誉毀損的イメージは、いかに「悪い意味ではありません。」という注釈をつけたとしても払拭できるものではないと考えます。
そして、いかなる意味でも、制度が要求し必要とされる行動を、銭金抜きで、というより損を覚悟で行っている弁護士に対して「偽善」という言葉を投げかけるのは、間違いであると考えます。
どこが「偽」なのですか?
>No.28 昼寝 さん
>予想に反するモトケンさんの反応がありましたので。。。。
私がなぜ本文で刑事弁護をめぐる実情を書いたと思っているのですか。
私は、このエントリで、理解を求めているのです。
>No.27 psq法曹 さん
>それと、「ア●」というのは、関西では口頭で気楽に使われるかもしれませんが、全国版の文字情報としてはよろしくないかと思います。
橋下先生もよく「馬〇」という表現を使われます。
このブログの常連さんはどんなに腹が立っても「ア〇」な
どの表現はされていません。
つまり、私のコメントが、今までかつてないくらい非難に
値するものだったということでしょう。
>昼寝 さん
なんのために理解を求めているのか理解できてますか?
まさか、弁護士の自己満足のために求めているとは考えていないでしょうね。
>No.29 モトケン さん
>そして、いかなる意味でも、制度が要求し必要とされる行動を、銭金抜きで、というより損を覚悟で行っている弁護士に対して「偽善」という言葉を投げかけるのは、間違いであると考えます。
どこが「偽」なのですか?
丸谷才一氏の「偽善のすすめ」からの発想でもあるのですが、実際の行いが正しければ、その行いの動機が義であれ
偽であれ、すくなくとも非難に値するものではない。
近代の人間はその欲求から、すべての行動を義から起こすに
は無理がある。ならば偽でも良いから正しい行動をせよ
という感じです。
そして、義からおこした行動には名誉も報酬も全く求めない
という究極の犠牲的精神を求められるものだが、偽善であれ
よい行いをした者には少なくとも対価を求めてもゆるされる
だけの許容範囲は民意としてあるものだ。
>私は、このエントリで、理解を求めているのです。
もっと報酬のアップ(国の援助)を求めて、弁護士さんが
働く環境を良くして、その結果多くの国民が刑事弁護に
より人権を守れるようにすればいいと思う。
犠牲的精神だけでは、多くの国民のためにはならないと
思います。
僭越ですが、別エントリにて、昼寝さんは海外勤務とお伺いしました。
このブログでここまで強く一人の弁護士を批判し、国民に理解を求めなければならない日本における“空気”を肌で感じてはいらっしゃらないのではないでしょうか?
>No.33 昼寝 さん
>もっと報酬のアップ(国の援助)を求めて、弁護士さんが働く環境を良くして、その結果多くの国民が刑事弁護により人権を守れるようにすればいいと思う。
そういうことはこれまでも求めてきました。
しかし、実現していません。
実現していないという環境・状況の中で、多くの弁護士は「犠牲的精神」で刑事弁護をしてきており、これからも環境・状況が十分改善される見込みがない中で、刑事弁護自体はさらに充実させていかなければならないという状況が現実としてあるのです。
橋下弁護士の言動はそのような現実に対する、現実的破壊活動とも言うべきものです。
あなたには、そのような「現実」を認識しようとする姿勢がおありでしょうか?
なお、意見表明というのは、本来的に主観的なものだと思いますが、その意見の前提となる客観状況についての認識に誤りがあれば、それだけで説得力を持ち得ません。
私は以前に、「全国犯罪被害者の会 【あすの会】」の主張を批判したことがありますが、それは【あすの会】の状況認識が必ずしも正しくないことを理由にしたものでした。
No.32 モトケン さん
>まさか、弁護士の自己満足のために求めているとは考えていないでしょうね。
犠牲的精神を強調されていると、そう思われても仕方ないと
思います。
上記の私のコメントでも、ご理解頂けないとしたら、私が
刑事弁護の必要性を軽視していると判断されるなら、やむを
えないです。
将来、いつ被告人(冤罪含む)になるかもしれない我々に
とって、「弁護士の犠牲的精神によって刑事弁護が行われ
ている」と理解を求められても、「大変ですねー」という
ここでいう客観的認識は言えません。
不安こそつのれど。
つまり、国選弁護料にしたって、もっともっと声を大にして
要求すれば良いと思います。
その結果、被告(我々)の人権が守られる結果になるのです
から、民意は弁護料アップを要求する弁護士さんを支持する
と思います。
ずいぶん取り違えられているような?
「儀」=役割・(弁護士の)担う仕事
「善・偽善」=物事の良し悪し
このエントリーは、善悪の判断が絡む事(刑事事件)を被告の側から扱う仕事への理解を求めている、のであって。
「行動の良し悪しを論じている訳じゃない」のでは?
>昼寝 さん
あなたのNo.36 は私のNo.35 を読む前のものでしょうから、読んだ上でので再考をお願いします。
その際には、No.9 YUNYUN(弁護士) さんのコメントも読み直すことをお勧めします。
あなたのような超楽観主義では、現実対応力を持たないと思います。
状況が理想的でなくても、弁護が必要な被疑者・被告人はこれからも多く生じるのです。
昼寝様は「自分が理解できないのは相手の自分を理解させようとする努力が足りないからだ」「自分の主張を相手が理解しないのは相手の読解力が足りないからだ」と言うのが基本スタンスです。
(と、私は思いました)
以前のエントリを見ても分かるように、こちらの努力によって昼寝様が相手の主張を理解するに至ったことはありません。
こういう人を相手にして、一体何を主張するべきでしょうかね?
>pon さん
>こういう人を相手にして、一体何を主張するべきでしょうかね?
昼寝さんが、そこまで理解力がないかどうかはともかく
現在は(あるいはこれまで)昼寝さんと同様の印象または考えを持っているが(あるいはいたが)、聞く耳を持つ多くの読者に向けて意見を述べています。
このエントリはそういうエントリです。
やはり弁護士には意味不明な論理を展開するスジ悪依頼者であってもなんとか相手の言うことを理解しようとする姿勢と能力が必要なんだと再認識しました。
>No.34 死刑囚 さん
No.22 昼寝 さんのコメント | 2007年11月11日 12:50 | CID 101903 (Top)
No.18 モトケン さん
>ここまで空気の読めない人だとは思わなかった。
変なにおいの空気だと思ったから書いたまで。
>思ってた人はけっこういそうだけど
と続けた時点で、このプログの性質がわかりますね。
ということです。証明して頂いてありがとうございます。
潜在的被告人である我々にとって、弁護士さんが「今の
制度では犠牲的精神を発揮しないと十分な弁護は出来ない、
皆さんの人権を守ることは出来ない」ことを国民に理解を
求めてどうするのですか?
それに対して、皆さんが「大変ですね」「苦労がわかります」「頑張ってください」という無味無臭のまずい空気を
流されていたので、「弁護士さん、もっと報酬貰ってでも
良いから、環境整備に国から金をひっぱっても良いから、
刑事弁護がやりやすいように頑張ってくださいよ。犠牲
的精神ばっかり言ってると愚痴にきこえまっせ」
と、ここまで書かなければ、理解を得られないくらい、
私は、空気がよめず、ア〇な人間なのでしょうか?
橋下先生批判については、たしかに彼自身というより、
彼が弁護士であることを非難するスタンスですが、擁護した
ことは一度もありません。
>No.42 昼寝 さん
私の書き方が悪かったのでしょうが、誤解しないで頂きたいです。
KY(空気読め)理論は私が嫌いなものの一つです。
「空気読めなくても仕方ない」だろうという意味です。
No.34は昼寝さん向けの投稿ではありません。
嗚呼、こうして、またブログ主さまに盾ついた事が明らかになってしまいました。
死刑執行の時が近づかないといいんですけど…(;;)
>No.42 昼寝 さん
あなたは、このエントリの趣旨が、現実を直視した上での制度運営論であることが理解できないようですね。
>潜在的被告人である我々にとって、弁護士さんが「今の制度では犠牲的精神を発揮しないと十分な弁護は出来ない、皆さんの人権を守ることは出来ない」ことを国民に理解を求めてどうするのですか?
少なくとも邪魔はするな、ということです。
弁護士は「刑事弁護」への理解を訴え、
医者は「医療崩壊」への理解を訴え、
共にその実現に困難を感じている・・
というところでしょうか。
私自身としては刑事弁護への理解ができているつもりですが、その足がかりとして上記に示したようなある種の「似た者同士」気分があり、それが更には刑事弁護自体の理解への一助になった気がします。
理解してもらうというのはなかなかに難しいものですね。
昼寝様
>国民に理解を求めてどうするのですか?
国民が理解しないと金も引っ張れないからでしょうねぇ。
>犠牲的精神ばっかり言ってると愚痴にきこえまっせ
要するに、彼らの献身的な活動を皆が称えているのが気に食わないと。
昼寝様が一番誤解しているのはそこなんでしょうね。
素人ながら言わせてもらえば、
有償だろうが無償だろうが、刑事事件ではそもそも弁護人がつかないと裁判始められないんですよ
私にも昼寝様にもその代りは出来ないでしょ?
である以上、彼らの活動がなければ日本の司法制度成り立たないでしょ?
十二分に敬意を払うに値する活動だと思いますが、それでも昼寝様は彼らの活動をパフォーマンスだとみなしますか?
>No.44 死刑囚 さん
誤解を招く発言は避けていただきたい。
私は、私に批判的な故をもって発言を制止するつもりはありません。
これから、遅めの昼食に出ます。
>No.48 モトケン さん
No.44(とくに最後の一行)は冗談でした。
緊迫した雰囲気に耐えられず、つい。
誤解を招く投稿をして、申し訳ありません。
どうも話が噛み合っていない気がします。
「弁護士さん、もっと報酬貰ってでも 良いから、環境整備に国から金をひっぱっても良いから、 刑事弁護がやりやすいように頑張ってくださいよ。犠牲 的精神ばっかり言ってると愚痴にきこえまっせ」
その意見は既にモトケン先生の下記のコメント
そういうことはこれまでも求めてきました。 しかし、実現していません。 実現していないという環境・状況の中で、多くの弁護士は「犠牲的精神」で刑事弁護をしてきており、これからも環境・状況が十分改善される見込みがない
と答えられていますよ。つまりは「刑事弁護がやりやすいように頑張っている」のは最初からの前提として話が始まっています。
「頑張っているけれど改善できない、だから犠牲的精神で弁護せざるを得ない」という話だと思うのですけれど、違いますか?
モトケン先生の簡潔な回答が既にあるので私があらためて長々と言う必要は無かったかもしれませんが、私の理解を述べました。
凶悪事件の弁護人に対して脅迫始め数々の陰湿な嫌がらせやマスコミのバッシングが何のてらいもなく行われる現状に対して
「結局金の問題なんでしょ?金がほしいんなら素直にそういえば良いじゃん」みたいに矮小化されたらそりゃ怒るでしょうね。
(鍵括弧内の台詞は昼寝様のコメントを私が独断的に解釈したものです)
死刑囚さん
今日はニューカマーさんが多いようですので、冗談が通じないと困ると思いました。
>no.45モトケンさん
>あなたは、このエントリの趣旨が、現実を直視した上での制度運営論であることが理解できないようですね。
ということは、「お気持ちよくわかります」とのコメント
が並んだ時点で、エントリの趣旨からすると終了ですね。
>少なくとも邪魔はするな、ということです。
どんなにア〇と言われても、こうストレートに書いていた
だければ理解できますね。
ついでに、現実的にはなかなか出来ない理想や楽観論をア〇の意見とするなら、「わかりました。頑張ってください」
とのコメントがどんどん集まると思います。
それをもって、理解が得られたとするなら、それも良しかな
とは思います。
No.46 辺境心外医 さんへ
>弁護士は「刑事弁護」への理解を訴え、
医者は「医療崩壊」への理解を訴え、
共にその実現に困難を感じている・・
というところでしょうか。
私は地方で税理士事務所に勤めており、顧問先に医療法人や個人開業医がおりますが「医療の現場にサービス業同様の経済市場原理を過分に持ち込むべきではない。」と常日頃思っていました。
まさしく同感で「刑事弁護」も「医療崩壊」もまだまだ理解が足りないし、故に議論することによって私自身も理解が更に深まればいいなと思っています。
光市事件の弁護人の更新意見書について、どこにも一言も、死刑制度の是非やそれが憲法や国際条約上問題があるなどとは書いてありませんでした。
死刑求刑事件で、死刑制度について問題提起しない、というのはむしろ異例です。
例えば、大山事件の控訴審の弁護人控訴趣意書でも、上告審をにらんで、「死刑制度は憲法違反」と論じています。そういう主張が通るわけでもなくても、死刑制度に問題提起することが多いのです。
また、私が最初に死刑求刑事件の弁護した際、「絞首刑では死体から臓器を提供できず、臓器を提供したいという自己決定権を奪う態様の執行方法である現行死刑は違憲」という主張をしました。
No.47 pon さん
>彼らの活動がなければ日本の司法制度成り立たないでしょ?
十二分に敬意を払うに値する活動だと思いますが、それでも昼寝様は彼らの活動をパフォーマンスだとみなしますか?
極論をいうと、パフォーマンスであれ、なんのためであれ、
弁護士としての仕事を完遂して頂けるのであれば、構い
ません。
現実的に弁護士さんの「犠牲的精神」に頼らなければ十分な
弁護を受けられないという現実よりはマシだと思います。
>(鍵括弧内の台詞は昼寝様のコメントを私が独断的に解釈したものです)
もう慣れていますから、いまさら注釈をつけなくても結構
ですよ(笑
>No.56 昼寝 さん
>極論をいうと、パフォーマンスであれ、なんのためであれ、弁護士としての仕事を完遂して頂けるのであれば、構いません。
> 現実的に弁護士さんの「犠牲的精神」に頼らなければ十分な弁護を受けられないという現実よりはマシだと思います。
この二つの文章ですけど、論理的に全く整合してないと思いますよ。
で、何が言いたいのかよくわからないのですが、私の言いたいことが全く伝わっていないという印象は伝わってきます。
No.51 pon さん
モトケンさんの、「少なくとも邪魔はしてくれるな」が
理解を求める理由ということは、理解出来ます。
>「結局金の問題なんでしょ?金がほしいんなら素直にそういえば良いじゃん」みたいに矮小化されたらそりゃ怒るでしょうね。
完全な曲解ですが、モトケンさんがそう理解していると
したら、やはり私の表現力が稚拙なのでしょう。
先にも書きましたが、あなたの曲解力には慣れています
が、ア〇とまでは言わなかったあなたには一定の理解を
していました。
それでも、私も弁護士?さんにア〇とまで言われてます
ので、よほど不味いコメントだったのだと思います。
弁護人自身が死刑廃止論者でなくても、死刑にさらされている被告人のために、死刑違憲論や国際法違反を主張するのです。
弁護人自身の思想・信念を離れても。
逆だったのが光市事件。
光市事件でも、更新意見作成の際、私は、「一応、死刑制度論に触れておいた方がいいのでは?」と言いましたが、安田先生らは「いや、この事件で争っているのは事実だ。それに犯行事実が導く情状だ。死刑制度を争っているのではない。事実が確定すれば、死刑は問題にならない。」とされました。また「個別の事件で死刑廃止を訴えるのは、その被告人や事件に過大な負担を課すことになる。」とも。
また、「弁護団会議の中身を公表するのは・・」と批判されるとは思いますが。
>No.57 モトケン さん
>で、何が言いたいのかよくわからないのですが、私の言いたいことが全く伝わっていないという印象は伝わってきます。
ponさん充てのレスということは、おいといて、
モトケンさんがおっしゃるように、他の聞く耳を持つ人には
モトケンさんの言いたいことが伝わっていると思いますから
それで良いと思います。
私は、これまで何回か「暴れて」いますが、そのつど私と「同じ様な」考えの方は0では無かったと思っています。
今回も、私の理解力の問題として、片付けといてください。
(投稿姿勢に問題あれば、ご指摘ください。ここは、あくまでもモトケンさんのブログです。ご指示には従います)
>No.60 昼寝 さん
このエントリの趣旨は、橋下批判なのです。
なぜ、私が、橋下弁護士の言動を強く批判するのかということを理解してもらうために、刑事弁護の実情を説明したのです。
つまり前提事実の説明として刑事弁護の実情を語ったのです。
刑事弁護人の待遇をよくしろ、という問題はありますが、それはこのエントリの趣旨ではないのです。
そういう厳しい状況にある刑事弁護人に対して、それを認識しているはずの(または認識しているべき)橋下弁護士の言動は、状況をさらに悪化させるものとして批判と非難に値すると言っているのです。
つまり、あなたの一連のコメントは、このエントリの議論を橋下批判論から逸らすものと言えます。
意図的に逸らしとは思いませんが。
刑事弁護人の待遇については前提状況の議論ですので私も応じて説明しましたが、これ以上付け加える必要はないと思います。
>No.61 モトケン さん
> 刑事弁護人の待遇をよくしろ、という問題はありますが、それはこのエントリの趣旨ではないのです。
その意味では趣旨からはずれました。
申し訳ありません。
>刑事弁護人の待遇については前提状況の議論ですので私も応じて説明しましたが、これ以上付け加える必要はないと思います。
了解しました。
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刑事弁護の空前の危機についての問題意識とご発言については、モトケン先生に並ぶ弁護士はいません。
しかも、光市弁護団批判側からのご意見なので、弁護団支持派より公正感があり説得力を持ち得ると思います。
感謝しております。
しかし、「508人の緊急アピール」をなしてくださった方々は、アピールで終わってしまったのでしょうか。
安田先生ほか各地の弁護団弁護士も、代理人さえついてくれれば橋下弁護士やメディアに提訴したがっていたのですが。
なにかその後活動されていれば教えてください。