掛川市と袋井市は10日、両公立病院の統合協議を始めることを表明してから初めてとなる市民説明会を両市内で開いた。両市長が、現状では医師の確保が困難なため、12月末にも統合協議を始める必要性を説明した。市民からは統合病院の場所や建設のための財源、統合後の医師確保の確実性に対する懸念の声が目立った。 掛川市の大東地区には約110人が集まり、5人が質問した。戸塚進也市長は「場所は合併協議で決めるので軽々に言えない。今、掛川は財政が厳しいが、市民の命にかかわる病院に関してはやり遂げないといけない」と答えた。 医師確保には「(主に両病院に医師を派遣している)名古屋大と浜松医大がどう責任を負うか考えていただいている。魅力ある病院をつくれば医師確保は心配ない」と述べた。 袋井市には約110人の市民が詰め掛けた。原田英之市長は「本当は自前でつくる方がいい。だけどそれでは医師が確保できない。大事なのはこの地域に安心できる医療サービスを提供すること」と掛川との統合協議に理解を求めた。 質疑応答では、3人の市民が発言した。「新病院の場所が袋井市民にとって不便になるのでは」との質問に対し、原田市長は「駅でも何でも近くにある方がいいに決まっている。ただ、袋井市民はもちろん、掛川市民にとっても不都合のない場所になるようお互い譲り合っていい場所を選定していきたい」と答えた。 |