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野菜の栽培セット、静かなブーム 癒しを求める男性も…

2007年11月10日17時02分

 そら豆、水菜、春菊……。水を与えるだけで簡単に室内で育つ野菜の栽培セットが、静かなブームになっている。製造しているのは愛知県瀬戸市の小さな陶磁器会社。遊び心から生まれたユニークな商品だが、成長の過程を観察し、もちろん収穫後は食べられる。大手雑貨専門店によると、癒やしを求める女性のほか、植物に無縁と思われがちな20、30代の若い男性も購入していくという。

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男性にも好評なそら豆や枝豆、なべ野菜の栽培セット=愛知県瀬戸市の聖新陶芸で

 この秋から販売が始まった「そらまめ栽培セット」(1050円)は、ビールジョッキそっくりの鉢に栽培用の土と種を入れ、水を与えるだけ。今ごろの時期から育てると来年の春ごろには実がなる。

 もう一つの人気商品は「なべ野菜栽培セット」(1050円)。鍋料理に欠かせない春菊と水菜を、直径約15センチの土鍋風の鉢で育てる。こちらは1カ月ほどでシャキッとした歯ごたえの野菜ができるという。いずれも水を与えるだけで室内でも十分に育つのが特徴だ。

 製造元の陶磁器会社「聖新陶芸」は1960年の創業。パートを合わせて約20人の従業員で食器や置物づくりを手がけてきた。

 中国産の安い製品に押され、売り上げが落ち込む中、10年ほど前、「せともの」の付加価値を高めようと、独自の商品開発に乗り出した。

 試行錯誤を繰り返した末、卵形のやきものでハーブを育てる栽培セットを販売。若い女性らの注目を集めた。その後もハーブや果物、花と陶器を組み合わせた栽培セットを次々と売り出し、全国有数の生産量を誇るまでに成長した。

 今年初め、取引先から「枝豆の栽培セットがあればおもしろい」と持ちかけられた。蓄積した技術を生かし、遊び心を交えて商品化したところ、全国から注文が殺到。製造した2万個は完売した。その第2弾が、そら豆となべ野菜の栽培セットだ。

 名古屋市中区の大手雑貨専門店「ロフト名古屋」によると、ハーブや野菜の栽培セットは、場所を取らず、手頃な値段で楽しめることから人気を集めているという。

 とくに聖新陶芸製のそら豆となべ野菜の栽培セットの販売数は、部門別の全国集計でも堂々の1位と2位を記録。ロフト名古屋でも1カ月でそれぞれ25〜35個は売れるヒット商品の一つだ。「20〜30代のサラリーマンによく売れている。収穫した野菜が本当に食べられるのも人気の秘密では」と同店。

 品種は丈夫で育てやすいものを選び、無消毒種を使って安全面にも配慮している。

 聖新陶芸営業部の松田園生さんは「スーパーで売っている野菜を自宅で栽培する楽しさを味わってほしい」と話す。

 問い合わせは、同社(0561・82・7517)へ。

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