警察庁は、指名手配犯捜査の強化月間の11月、23人を重要指名手配容疑者に指定した。高山市の大橋コレクション館で3月に発生した金塊強奪事件で、岐阜県警が強盗致傷容疑で指名手配した無職大崎龍一容疑者(55)=福岡市博多区=も指定され、県警も捜査一課に専従捜査班を設けて捜査を強化する。

 県警捜査一課と高山署の捜査本部の調べでは、大崎容疑者は3月18日、韓国籍の無職呉吉身被告(41)=北九州市小倉北区、強盗致傷罪などで起訴=、建設業堀川耕平被告(23)=福岡県芦屋町、同=と共謀、高山市丹生川町のコレクション館に押し入り、女性従業員に軽傷を負わせた上、2億5000万円相当の金塊を強奪した疑い。

 捜査本部は6月、奪った金塊を業者に持ち込んだとして、呉被告と堀川被告を盗品等処分あっせん容疑で逮捕。これを皮切りに強盗致傷、窃盗などの疑いで2人の逮捕を繰り返してきた。一方で福岡県警の協力を得て、逃走を続ける大崎容疑者の行方を追ってきたが、有力な手掛かりは得られていない。

 県警は捜査一課に専従捜査班を設置し、再度、九州方面に捜査員数人を派遣する方針。福岡での聞き込みを中心に、大崎容疑者の立ち回り先や交友関係などを調べていく。

 2被告の公判はまだ始まっていないが、県警刑事部は「公判前には何とか容疑者を捕まえ、事件の全容解明を目指したい」と話している。