大分県日田市中津江村の地底博物館「鯛生金山(たいおきんざん)」で昨年、純金製のタイの置物(5000万円相当)が盗まれた事件で、高山市の金塊強奪事件で強盗致傷罪などで逮捕、起訴された韓国籍の無職呉吉身被告(41)=北九州市小倉北区=が犯行に関与した疑いの強いことが、26日までの大分県警の調べで分かった。県警は窃盗容疑での立件を目指す。

 事件は昨年2月12日夜から13日朝にかけ発生。博物館に展示されていた純金製のタイの置物(長さ約70センチ、重さ約30キロ)が盗まれた。

 犯行に使われたとみられるバール3本が坑道の入り口などに残されており、バーコードシールから福岡県内の量販店で販売されたことが判明、購入した男が防犯カメラに写っていた。

 呉被告は高山市の事件で、奪った金塊を小分けして売りさばいており、その流通ルート上で純金のタイも処分された形跡があったという。同時に近くの建物内にある貴金属売り場でも金のネックレスなど数十点が盗まれており、関連を調べる。

 呉被告は今年3月18日、高山市丹生川町の観光施設「大橋コレクション館」から時価約2億5000万円相当の金塊を強奪した強盗致傷容疑で岐阜県警に6月、共犯の建設業堀川耕平被告(23)=福岡県芦屋町=とともに逮捕された。岐阜県警によると、呉被告はこの金塊を加工して売りさばき、約7000万円を得ていた。