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【社会】

「ひこにゃん商標認めぬ」 デザイン男性、彦根市相手に調停申し立て

2007年11月10日 朝刊

住民票を交付され、晴れて市民となったひこにゃんだが…=9日、滋賀県彦根市役所で

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◆「彦根城400年祭PRに限定」

 滋賀県彦根市で開催中の「国宝・彦根城築城400年祭」のキャラクター・ひこにゃん。“ゆるキャラ”の代名詞として全国的に知られるが、デザインした男性イラストレーター(22)が市と400年祭実行委員会を相手取り、今月25日の閉幕後の商標使用中止などを求めて彦根簡裁に調停を申し立てたことが9日、分かった。

 申立書によると男性は、閉幕後の商標使用中止のほか、あらかじめ指定された3パターン以外のデザインの使用承認取り消しや、相当額の支払いを求めている。

 さらに、市が勝手に商標登録したうえ、あらゆる営利目的に利用されていると主張。実行委は「特技はひこにゃんじゃんけん」など、男性の意図しない性格付けを黙認するなど、無制限な利用を放任し続けた、などとしている。

 キャラクターの著作権は実行委が持っているが、イラストレーター側は「400年祭のPRに限定していたはず」と主張。男性が所属する大阪市北区のデザイン会社では「何度も話し合いを申し入れたが、応じてもらえないままキャラクターの価値がおとしめられている」と話している。

 ひこにゃんはこの日、市役所で住民登録するパフォーマンスを披露したばかり。獅山向洋市長は「弁護士と相談して対応を考えたい」とコメントしている。

 【ひこにゃん】 江戸時代に彦根藩を治めた井伊家のかぶとをかぶった猫のキャラクター。今年3月から11月までの「国宝・彦根城築城400年祭」のPRに使用するため、民間会社からのコンペで採用、名前は公募で決まった。

 

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