1933(昭和8)年に国内初の救急業務をスタートさせた横浜市が、救命率向上などを目指した「救急条例(仮称)」を12月議会に提案する。柱の一つが、119番通報の段階で緊急度や重症度を判断し、救急車の出動態勢を決めるトリアージ(傷病者の選別)を初めて導入することだ。
司令管制員が通報者から呼吸や意識の有無、外傷の程度など約20項目を聞き取り、コンピューターに入力すると、緊急度や重症度が自動判定されるシステムを横浜市安全管理局が構築した。
私は一度だけ救急車を呼んだことがある。3年前、尿管結石を発症して119番通報。激痛で気が動転し、消防職員の問いかけに、電話で的確に答えられた記憶がない。これが独り暮らしの高齢者なら、なおさらだろう。
横浜市によると、過去の事例検証で危篤状態の傷病者を軽く判定した例はないという。だが、実際よりも軽く判定される可能性は否定できない。導入にあたっては、コンピューターが100%正確かという「住民の不安感」を取り除く努力が必要だ。【佐藤則夫】
毎日新聞 2007年11月10日 12時35分