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私がママよ、最高の瞬間 自然分娩を重視、愛知・岡崎の産科院長が出版

 ◇「愛のこもった出産を」

 命の誕生の瞬間に約50年間立ち会ってきた愛知県岡崎市の産婦人科診療所「吉村医院」の吉村正院長(75)が、出産直後の母子の表情などを撮った写真集「幸せな、お産」(現代書館刊)を出版した。吉村院長が「神様に一番近い場所で仕事をし、最高の瞬間を収めた」という写真集には「お産が幸せであれば、少子化や幼児虐待などが問題となっている日本も変わるはず」との願いが込められている。【山田尚弘】

 吉村院長は大半の出産を自然分娩(ぶんべん)で行う。1961年の開業当初は陣痛促進剤や機械を使う計画分娩をしていたが「赤ちゃんの生まれる時間を大人が決め、無理に出産させているのではないか」との思いから自然分娩を重視するようになった。診療所の一部を日本家屋風に改築。出産間近の妊婦は、和室の病室で過ごす。食事は釜炊きご飯に地元産の野菜などを使った素朴な和食中心。敷地内には移築した江戸時代の古民家もあり、妊婦はまき割りなどで体力づくりをして出産に臨む。

 厚生労働省の調査では、全国の一般診療所で05年9月の1カ月間に出産した約4万人のうち帝王切開は約13%だったが、年間約300人の新生児を取り上げる同院では約3%。器具で胎児を出す吸引分娩はわずか0・7%で、自然分娩の成果が上がっている。

 写真集には、吉村院長が3年ほど前から撮ってきた母子の表情や、妊婦の散歩コースの里山の風景など計42点を収録。お母さんのおなかの上で眠る赤ちゃんや、涙を流して誕生を喜ぶ母親の姿をとらえている。

 吉村院長は「この写真集を見て愛のこもった出産をしてほしい」と話している。写真集はB4判変型で全56ページカラー、2625円(税込み)。

毎日新聞 2007年11月10日 中部夕刊

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