県立病院の医師不足を解消するため、県病院局は今月から「県立病院ドクターバンク」をスタートさせた。年齢的な問題や育児など、さまざまな理由から非常勤の勤務を希望する医師や、新たな勤務先として県立病院を希望する医師らに登録を呼びかけ、医師確保を目指す。
病院局によると、県内の6県立病院には計66人の医師が勤務しているが、産科や小児科を中心に約20人が不足しており、非常勤医師による週2~3回の回診や、休診を余儀なくされている。
ドクターバンクでは、勤務条件についての情報を提供したり、県立病院に勤めている医師との意見交換会を開き、県立病院勤務に結びつける。県外での出張相談なども行っていく方針だ。
医師確保策としてはこの他、勤務医に対して有給で最大2年間の研修を認めるほか、医学部生や研修医に対して、県立病院勤務を条件に月額約20万円の資金を貸与する。また、出産や育児で現場を離れた女性医師の再就職を支援するため、臨床研修も実施する。
一方、来年4月採用の看護師試験で受験者が採用予定数に満たず、19日から来月14日まで再募集を行う。看護師35人を採用する方針だったが、受験者は26人だった。06年度の診療報酬改定で「患者7人に対し看護師1人」の基準を厚生労働省が示し、都市部の民間病院が採用を強化しているため、地方の病院で看護師不足が深刻化している。【関雄輔】
毎日新聞 2007年11月10日