県下初の病院、開業医連携

2月から土曜日午後診察を始める日高病院

 9日に開いた日高郡町村会定例会で野尻孝子御坊保健所長が、小児救急医療対策で来年2月から日高総合病院が毎週土曜日午後に診察を始めることを報告、承認を得た。日高病院と北出病院の小児科医師、開業小児科医師が連携し、診察から入院までの一次、二次救急医療にあたる。病院間、病院と開業医の地域医療連携は県下で初めてのモデルケースとして注目される。

 医師不足から365日24時間体制の地域小児科センター設置構想は白紙に戻り、有効な打開策は見出せない中で、これに代わる案として日高地方地域医療対策協議会が病院と開業医の連携システムの検討を続け、日高、北出両病院、開業医、日高医師会で合意した。野尻所長は「病院、開業医に大変なご努力をしていただいた。365人24時間体制は臨めないが、現状でできる最大限の対策」と説明。
 日高病院小児科医師3人、北出病院小児科医師1人、開業小児科医師6人の計10人体制で診察にあたる。診察時間は午後3時から午後8時まで(受け付けは午後7時30分まで)。北出病院医師と開業医が中心になってローテーションで診察にあたり、日高病院医師は入院対応などでバックアップする。年間経費は約400万円。国の小児救急医療支援事業を活用し、管内1市5町が財政負担する。
 野尻所長は「急に熱が出たなど緊急の場合に受診して下さい」と適正利用を呼びかけている。12月議会に今年度分(2カ月)の補正予算を計上。議決を得たあと、年明けに日高地方地域医療対策協議会長の野尻所長立ち会いで、御坊市外5ケ町病院経営事務組合(管理者・柏木征夫御坊市長)と日高医師会(塩路信人会長)が「土曜日小児救急診療に関する契約書」を締結する。
 土曜日受診で和歌山市夜間休日救急医療センターが開院しない空白時間(土曜日正午~午後7時)をカバーできるなどのメリットがある。今後の課題として専任看護師の確保、ローテーションの割合見直しを挙げている。365日24時間体制は日高病院で最少でも医師5人が確保されない限り実現は困難。県立医大の定員増枠で将来的に5人確保できる可能性があり、今後の検討課題として残した。