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鷲羽山・エレベーター建設:着工目前に「待った」 児島LC「環境破壊だ」 /岡山

 ◇倉敷市、対応に苦慮

 瀬戸大橋を望む倉敷市の観光名所・鷲羽山に駐車場と第2展望台を結ぶエレベーター施設が建設されることになり、地元の児島ライオンズクラブ(小野克之会長)から「環境破壊」として反対の声が上がっている。高齢者や身障者の負担を軽減し観光客誘致を拡大する目的だが、車でのアクセスも可能なため、同クラブは建設中止の署名活動を行う予定。着工目前の反対運動に市は頭を悩ませている。【山崎明子】

 ◇展望台へは車も可能「必要な整備、ほかにも」

 鷲羽山一帯は瀬戸内海国立公園に指定されており、白壁の美観地区に次ぐ市の観光拠点。年間観光客数は瀬戸大橋が開通した88年の346万人をピークに減少傾向にあるが、06年は前年比4・3%増の173万人と根強い人気を誇る。

 市は今年度、鷲羽山展望台周辺整備事業として、駐車場から第2展望台までの高低差約30メートル、距離約40メートルをエレベーター2基と渡り廊下でつなぐなどの工事を総工費2億8000万円をかけて行う計画を打ち出し、市議会も可決した。しかし、駐車場から第2展望台までは階段のほか車道があり、高齢者でもアクセスが可能。同クラブは「何のために作るのか分からない。維持管理費用も膨大だ」と指摘する。

 同クラブは鷲羽山と瀬戸大橋を世界遺産の登録候補に申請しようと今夏に運動を始めたばかりで、景観の変更は寝耳に水。財源に使う国交省「まちづくり交付金」の趣旨からも、「住民によるワークショップが必要」と主張している。

 市観光振興課は「事業計画は05年末にアンケートをとって住民の理解を得たと考えていたが、反対運動が起きるということは、説明が足りなかったのかもしれない」としたうえで、「環境省の認可も得ているので景観への影響も問題ないと思われるのだが……」と対応に苦慮している。

 朝晩の散歩は欠かさないという同クラブ会員の森貫治さん(71)=同市児島小川=は、「荒れ放題の松林の手入れや遊歩道の清掃など、必要な整備はほかにもある。もっと大きな視野で考えてほしい」と話している。

毎日新聞 2007年11月9日

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