倉敷市児島地区を拠点に、年二回発行されるフリーペーパーがある。毎回独自の視点で倉敷を切り取る編集長のAさんは、今秋の最新号でエコロジーをテーマに据えた。
誌面では、水島コンビナート企業や児島の繊維産業の環境対策をはじめ、温暖化に伴う瀬戸内海の水位の変動を二〇〇四年の台風による高潮被害と絡めて検証。「特集を機に、できる人ができる時にやるエコを提唱していく」とAさんは言う。
二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出削減をうたった京都議定書の採択から今年で十年。日本は二〇〇八―一二年度で、一九九〇年度より6%の削減が義務付けられているが、達成は極めて厳しい情勢だ。その要因の一つが家庭やオフィスにある、という現状を見れば、省資源化に向けた生活様式の見直しはもはや避けては通れない。
例えば、買い物で当たり前のようにもらい受け、一年間で約三百億枚がごみに変わるレジ袋。岡山県内のスーパーでは、バッグを持参すれば特典ポイントが加算されるなど、削減に向けた運動が広がっている。津山市内の主要スーパーのように、行政と連携して来春から有料化に踏み切るケースも出ており、「袋はタダ」という時世はいずれ終わるに違いない。
Aさんは、今回の特集を前にオリジナルのエコバッグを製作した。ささやかな変化ではあるが、私も一つ入手し外出時に携帯している。通勤途中、バッグを手にスーツ姿で買い物に立ち寄ることもあるが、そんな格好もなかなか悪くない、と思っている。
(社会部・前川真一郎)