昨日の本紙連載「われに千里の思いあり」を興味深く読んだ。三代藩主の利光(利常)が水田を三等級に分けて効率的に年貢を定めたという 話のポイントは贈収賄である。年貢率の低い田にしてもらおうと袖の下を渡す農民と、それを受け取る役人が増えることを予測し「下々より贈り物をもらってはいけない」「渡した者も同罪で成敗す」と布令したとある 賄賂のネタは尽きないものだとあらためて思う。が、本題は平成の世の防衛省の悪徳元代官?の疑惑である。接待をした側は逮捕されたが、厄介なのは元代官とは二十数年来の交遊があり友人のような形になっていたことである 多額な遊興費も明確な目的があって出したかどうかの立証が難しいらしい。厳密な法律論ではそうかも知れない。一方に「犯罪的な接待」との検察の言葉がある。犯罪的の「的」が取れて成敗される日が近いとも読めるのである 袖の下の歴史は古い。新手も次々登場する。ゴルフ接待にいくらかかろうと毎回一万円払うのも新手の一種だが、その浅知恵が何とも今風で、あまりにせこいため、どちらが「下々のもの」か分からないのも情けない。
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