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インクカートリッジ特許 エプソンが敗訴 最高裁

2007年11月09日19時37分

 プリンターのインクカートリッジに関する特許を侵害されたとして、セイコーエプソンがリサイクル品を販売するエコリカ(大阪市)を相手に販売差し止めなどを求めた訴訟で、最高裁第二小法廷(中川了滋裁判長)は9日、エプソンの上告を退ける決定をした。エプソン側が主張の根拠とした特許権自体を「無効」と判断した一、二審判決の結論を支持。エプソン側の敗訴が確定した。

 インクカートリッジのリサイクル品をめぐっては、キヤノンが起こした訴訟で第一小法廷が8日、リサイクル品業者側の敗訴とする判決を言い渡している。この訴訟ではリサイクル品が純正品の特許権を侵害したかどうかが争点となったが、今回のエプソンの訴訟では特許権自体が無効とされたため、「特許を侵害したか」という論点に至らずにエプソンの請求が退けられた。

 エプソンが「特許を持つ」と主張していたのは、インク漏れを防ぐシール材やフィルムの構造に関するもの。一、二審判決とも、エプソンが00年に出願する前に刊行物で公にされていたことから、新規性がなく特許は無効と判断していた。

 エプソンは「極めて残念だ。当社の特許や商標を無断で使用するものについては、今後も法律に基づき対応していく」とのコメントを出した。

 エプソンは、IC(集積回路)チップが付いたカートリッジを開発。インクの残量がゼロに近づくとプリンター本体が「インク切れ」と認識して作動しなくなる仕組みにして、インクを再注入したリサイクル品を使えなくしている。一方で、このICチップの内容の読み取りを試みているリサイクル業者もある。

 調査会社BCNによると、インクカートリッジの国内販売シェアはエプソンが46.0%でトップ。キヤノン35.9%、エコリカ8.7%と続く。エコリカは、リサイクル品の最大手。

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