2007年11月09日 更新

新井よ待ってた!アニキがキツーイ歓迎「ええ猿芝居や」

ユニホームは違っても師弟関係にあった2人。金本(左)は新井の阪神入りを待つ

ユニホームは違っても師弟関係にあった2人。金本(左)は新井の阪神入りを待つ

 どこで泣く練習したんや!? 阪神・金本知憲外野手(39)が8日、FA移籍を決めた弟分・新井にキツーイ歓迎のメッセージだ。これもすべて“アニキ流”。それほど、タテジマでの最強コンビ結成が待ち遠しそうだった。

 辛辣なメッセージ、そしてバカにしたようなモノマネは、アニキの真心の裏返しだった。

 西宮市内の甲子園クラブハウスでのリハビリを終えると、金本はいきなり「つらいです…」と言いながら両手で目をこするポーズ。直前に映像で目にした弟分の号泣会見を“再現”してみせたのだ。

 「絶対に泣かない、言っとったのになあ…。どこで練習したんや? ええ猿芝居を見せてもらいましたわ」

 それはちょっと言い過ぎじゃないの、とも思える言葉の数々。知らない人が聞いたら、完全に新井をバカにしている、としか聞こえない。だが、これこそ“アニキ流”の心のこもった歓迎のメッセージだ。

 リハビリを続けていた金本は、球団関係者にそっとお願いした。「新井の会見って、ここで見られますか?」。自分と同じ道をたどり、広島からFA宣言して移籍の道を歩む後輩のことが気にならないはずがない。この日も新井の会見が行われる時間をインプットしていた。インターネットの動画サイトを食い入るように眺め続けていた、という。

 金本自身も5年前、苦渋の決断の末に広島から飛び出した。涙こそ流さなかったが、古巣に対する思いは今も強い。だから、新井の涙の最大の理解者は、実は金本なのかもしれない。

 次に新井と会うときはおそらくタテジマの仲間として。今から待ち遠しい。最強コンビが間もなくトラに誕生する。